定期借家で期間満了 




デキの悪い法律「定期借家」改正法…期間満了だとどうなる?   



バードレポート第289号2000年1月24日

定期借家は3月施行です。


定期借地制度創設となった1991年の借地借家法改正は法制審議会等何重ものチェックを受け、スキのない改正法でした。

ところが今回の定期借家制度創設の改正法は議員立法でバタバタと作られた法律です。国会審議で内容が二転三転し何と「官報」が法律を間違って伝えるという醜態までもさらしました。

契約が終わるとどうなる。


期間1年以上の定期借家契約では、期間満了の1年前から6ケ月前までの通知期間内に、賃貸人から賃借人に対し、期間満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に退去するよう主張することができません。ただし、この通知期間が経過後でも賃借人にその旨を通知すればその通知の日から6ケ月経過で賃借人に退去を主張することができます。

ここまでは法律の内容ですので問題ありません。

さてこの通知をしないまま契約期間が満了したらどうなるのでしょうか。法律からははっきりと読み取れずに議論百出です。

(1)説たとえ期間満了後でも、通知により通知後6ケ月経過で賃借人に退去を主張できる。

(2)説期間満了で契約は終了したのだから、通知をしてもダメ。定期借家ではなく、旧制度の借家契約となって継続する。

(3)説期間満了で契約は終了し、不法占有になる。……等々

一番大切なはずの期間満了時の扱いがはっきりしません。


建設省は(1)説を採用し標準契約書を準備しています。誰かが裁判を起し、最後は最高裁が決めることになるのでしょう。

ちなみに(1)説によれば次のプランが可能になってしまいます。

まず1年の定期借家契約をします。期間経過後もそのままにします。そうすることより、家主にしてみれば常に6ケ月前の通知で合法的に借家人を追い出せる契約ができあがります。たとえ10年20年経過しても、6ケ月前予告でいいのです。

借家人の中途解約。


200平方メートル未満の居住用建物の定期借家では、転勤・療養・親族の介護その他やむを得ない事情により、賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難になったときは賃借人は、たとえ中途解約不可と記載された賃貸借契約書になっていたとしても、1ケ月前の予告で解約することができます。

ここまでは法律の内容ですので問題ありません。

さて、この賃借人が法人だとどうなるでしょうか。法人が賃借し、そこに代表者や従業員が住むのはよくあるケースです。法人には転勤・療養等はありえませんが、実際に居住する代表者・従業員に転勤・療養等となればどうなるのでしょうか。賃貸管理会社によるサブリース契約についても同じ問題が生じます。

これも解釈が分かれています。法人契約やサブリース契約には実際の居住者の転勤・療養等による中途解約の規定は効力が及ばないとする解釈と及ぶとする解釈とです。はたまた「その他やむを得ない事情」って何でしょうかね。これも判決の積み重ねになるのでしょうか。

デキの悪い法律


法施行前から法解釈が定まらず議論をよんでいます。趣旨はともかくも、デキの悪い法律であることは間違いありません。しわ寄せを受け、困ることになるのは不動産の現場です。

それでも定期借家制度の根幹を定めた大事な法律です。不動産のプロが制度を大切に育てるしかないようです。

再契約の仲介料


宅建業法上の賃貸の仲介手数料は家賃1ケ月分が上限です。たとえ20年の長期契約でも1年の短期契約でも同じです。

また、定期借家契約では更新はありません。旧の更新に相当するのは、「再契約」として新契約締結です。新しい契約締結ですので、是非はともかく宅建業法上では仲介料を得ることが可能となったようです。もちろん重要事項説明等は必要です。


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