定期借家で賃貸市場と家賃は




定期借家制度で賃貸市場と家賃はどう変わるのか…



バードレポート第292号2000年2月21日

定期借家契約書ひな型の公表がされましたが浸透はまだまだ。制度理解は一般消費者はもちろん不動産のプロでさえまだまだ。法解釈の統一化もまだまだ。

すべてが準備不足のなかで、いよいよ来週、2000年3月1日に定期借家制度がスタートします。

家主さんへの早期の制度説明は欠かせません。「説明してくれなかった」とのことで信頼を失うことにもなりかねません。

シングル向け賃貸


ワンルーム・1DK等シングル向け賃貸マーケットの定期借家での家賃はどうなるでしょうか。

定期借家になっても家賃等はほとんど変わらないのでしょう。

そもそもシングル向け賃貸は旧制度下でも、回転が速いものです。それにだれも「居座る」つもりで入居などしません。

何も変わらないのだから、定期借家に変わっても家賃等が下がるはずもありません。

ファミリー向け賃貸


ファミリー向け賃貸でのポイントは賃貸借期間と一般消費者への制度理解の浸透でしょう。


賃貸期間は長期化するものの、家賃は当面下がらないでしょう。

消費者は従来型・新制度どちらも知りません。最初から「居座る」つもりで入居などしません。だから二制度の比較がなされない限りは、提示された契約書が定期借家であっても契約をするでしょう。その結果定期借家になっても家賃等何ら変りません(変えたくありません?)。

しかし中期的には消費者の制度理解が進み、賃貸借期間は現行の2年から、3年ないし5年に延びるのではないでしょうか。

子供の通学や引越の面倒等を考慮すれば、何かの事情で再契約不可となって2年後退去との可能性の残る契約は不安です。

同じ物件で、従来型借家と定期借家とでは明らかに従来型借家の方が「確実にずっと住み続けられる」という点から価値が高いものです。消費者への理解が浸透すれば、比較の上で定期借家の家賃は下がって当然です。

そこで貸主は従来型の借家契約にするか、定期借家でも賃貸借期間長期化を条件にして家賃値下り回避かの選択になります。

普通の家主さんは家賃を下げてまで定期借家に移行しません。



敷金・礼金の行方


たった24ケ月の賃貸のために何ケ月分もの諸支払いをするか、という悩ましい問題です。

シングル向けはそれ程変わらないとしても、ファミリー向けは従来型と同一期間同一賃料での定期借家となれば上記の理由で礼金を減らして調整でしょう。

関東の礼金2ケ月敷金2ケ月はともかく、関西の敷引制度は一体どうなるのでしょうか。敷金10ケ月敷引5ケ月は、関東風にいえば礼金5ケ月敷金5ケ月です。

ファミリー向け賃貸住宅供給


一般地主さんは定期借家になったからとの理由だけでアパートを新築するはずもありません。

一方で大企業による好立地大規模賃貸住宅が増加しているようです。融資条件もよく、事務所ビルより高利回りとなる立地が増え、更に今改正で、クレームになりがちな従来制度の住宅賃貸事業を避けていた大企業や流行の不動産投資ファンドも住宅賃貸事業に算入しやすくなります。

中長期的にファミリー向け高額賃貸住宅の供給が増えることで、徐々に需給バランスが崩れ、いずれ都心高額賃貸から郊外一般賃貸に波及し家賃は下がる方向になるでしょう。

商業用・事業用賃貸


住宅と違いプロ間の交渉です。同じ2年間の定期借家なら家賃が下がって当然です。2年後退去の可能性ありとなれば内装工事さえ安心してできません。

借主が優良企業なら従来型での期間満了でゴネることもなく、逆にずっと居てくれと祈ります。

現在のように賃料が弱含みのときにわざわざ定期借家に切り替える理由はありません。

特殊事例では様々な活用


証券化物件の超長期賃貸・アパートの超短期賃貸・取壊予定建物・その他の個別な用途では様々な活用がされるでしょう。


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