宅建業法違反の仲介料と広告料




宅建業法違反で公開聴聞会…賃貸仲介料と広告料と定期借家



バードレポート第294号2000年3月06日

広告料と仲介料


宅建業での賃貸仲介の仲介料の限額額は貸主借主双方からの合計で賃料1ケ月分です。

その上で居住用の場合は借主(又は貸主)からはその承諾を得ている場合を除き0.5ケ月分が限度額となっています。

また貸主から特別に広告してほしいという依頼があれば仲介料と別途に広告料を受け取ってもいい、となっています。

ところが、借主からは仲介料として賃料1ケ月分をよく説明しないまま当然のように受取り、その上で貸主からはたとえ特別な依頼がなくとも「広告料」の名目で賃料1ケ月分を受け取る商習慣が広がっています。

「違反かもしれない」と思いつつ、実際には報酬が賃料1ケ月分だけではとても足りないし、仕事の内容からすれば2ケ月分は欲しいし、「みんなやっているし」みんなで渡るから怖くない、といったところでした。

いよいよ東京都住宅局不動産業指導部が2月22日に賃貸仲介大手2社(エイブルさん・ミニミニさん)の両社長を呼びつけ、公開聴聞会を行いました。


重要事項説明書に不実記載があったり、敷金返還に問題があったり、といった問題もありましたが、注目される大きな問題点は「仲介料」と「広告料」です。

両社には物件情報誌を発行する親密な雑誌広告会社があります。そこが広告を担当します。

広告についていくらかかり、どう掲載するか、といった貸主への十分な説明が不十分のままで広告料1ケ月分となっていたのではなか、とされています。

「仲介業務には通常の広告宣伝は含まれており両者は不可分のはずで、特別な広告の依頼とは異なるはずだ」というのが東京都の見解です。もちろんそれが実際に特別な依頼にもとづく広告であって、説明もきちんとなされていれば広告料については問題がありませんが。

また居住用の借主からも定められた仲介料の原則での限度額の0.5ケ月でなく、説明不足のままで1ケ月分を請求していたのではないか、とされています。

いずれ両社に対しての行政処分が下される見込みです。

これら慣行はこの2社ばかりでなく広く行われています。報酬規定が現状に合っていないならそれを直すべきでしょうが、現行法上では問題です。

大手2社を呼んで公開聴聞会を行い行政処分をすることで、これら慣行を一掃しようというのが東京都の意図のようです。

定期借家と仲介料


定期借家制度が賃貸仲介料の規定により影響を受けることが危惧されています。

賃貸仲介料の限度額は前述のように賃料1ケ月分です。

これまでの建物賃貸期間は2年間が標準です。そのため契約時に仲介料、2年ごとの更新時に更新手数料を仲介業者が受け取る慣行も多いようです。

さて定期借家制度が創設されました。ファミリー向け賃貸や事業系賃貸を中心として長期間の賃貸借が結ばれる可能性が高まります。たとえば10年間の定期借家契約です。

すると仲介料が問題になります。2年間の契約でも10年間の契約でも仲介料は1ケ月分です。

貸主借主は長期契約がよいとしても、仲介業者は困ります。そのために貸主借主の都合ではなく、仲介業者の都合で契約期間が2年となる可能性があります。2年契約を5回繰り返せば確実に何度も手数料を得られるのに10年契約では1回だけです。


ニューヨークでの長期契約のビル賃貸では、契約期間の家賃総額を基準にその何パーセントとして仲介料を決めていました。

長期の定期借家を推し進めるのならば、仲介料の規定についての配慮が必要となりそうです。

また定期借家契約の終了後の再契約(従来制度での更新に相当)時にも仲介料1ケ月が宅建業には認められます。従来の更新手数料相当です。

誰からどのように受け取る慣行となるのかが注目されます。
その後の処分

2000年3月29日付けで両社とも、東京都から「業務の全部停止10日間」の処分を受けました。


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