個人向け民事再生法




個人向け民事再生法での、住宅ローン返済計画強制引き直し



バードレポート第324号2000年10月16日

民事再生法の改正案が10月13日に閣議決定、国会に提出、2001年4月施行を目指します。「民事再生法」が小規模個人債務者をも対象とすることになります。

個人破産が急増中ですが、この制度で、債務弁済に当てる財産はないが将来の収入で払えるものは弁済したいという個人債務者に、破産でなく債務免除で対応する制度ができることになります。企業だけがなんで堂々と債務免除を受けるのかとの世論もありその個人版となります。

小規模個人向け民事再生法


債務総額3000万円(担保付債権の担保カバー分及び住宅ローンを除く)までで、継続的又は反復的な所得の個人については、これら債務の20%以上(最低100万円)を3年又は5年で弁済すれば残りは免除となります。サラ金等債権者の過半数の反対がなければ認められます。

特に給与所得者の特例として、可処分所得(所得から最低限度の生活費を控除した金額)の2年分以上を3年かけて弁済すれば、つまりゆとりがほとんどない生活を3年続ければたとえ債権者の同意がなくとも残債務は免除です。この場合の弁済額は上記の20%(最低100万円)より金額が大きくなることもあります。

民事再生法では担保付債権の担保カバー分は対象外です。担保分については「競売等で解決しなさい」ということです。

住宅ローン特則


しかし担保付であっても「住宅ローン」については特則が定められます。つまり民事再生法適用ならば住宅ローンについても面倒をみてくれるのです。

その特則とは住宅ローンの返済額については債務免除や金利引下げは行わないものの、裁判所が強制的に返済計画の引き直しを行うというものです。

原則は延滞額を5年で弁済させ5年後に元の状態に戻すことです。そして返済期間を最長70歳まで10年間延長等も可能です。サラ金等一般債権は前述のように減免し、住宅ローン債権は返済計画引き直しで救済します。

その際に裁判所は銀行等住宅ローン債権者の意見を聴きますが、聴くだけであり、銀行は裁判所の結論を受け入れるだけです。

銀行は弁済が滞った住宅ローンを保証会社に移転(代位弁済)しますが、移転後6ヶ月までなら、その移転がなかったものとされて、強制的に保証会社から銀行に巻き戻すことも可能です。

住宅ローン返済可能額


給与所得者の場合には住宅ローン等以外のサラ金等の一般債権について可処分所得の2年分以上を3年間で払えば残債は免除です。そしてこの可処分所得を計算するときには一定の家賃相当額を控除します。つまり家賃相当額はサラ金等に返済しなくてもいい金額となっています。

その家賃相当額と住宅ローン返済額とが等しければ住宅ローン返済は問題なく続行できるはずですし、多少のオーバーなら奥さんのパート等で多少の無理をすれば続行可能です。

現行担保制度の下では、住宅を残したままで、その住宅ローンを一部免除するのは困難なのでしょう。そこでなんとか住宅を残したままで債権者との調整が図れないか苦労したようです。

住宅ローンそのものの債務免除がないので、悲しいほど力不足ですが、住宅ローンが原因の多重債務者の救済は可能です。

建設省の尻拭いをする法務省


建設省は「ゆとり償還住宅ローン」を93年に創設しました。当面の返済額を極端に少なくし5年後に返済額が急増します。

この制度でどれ程の国民が苦しみ自殺したのでしょう。だれがどう責任をとるのでしょう。

不動産価格は下落し雇用不安も始まった時期でした。景気回復建設業界支援のためにマンションが売れるなら国民はどうなってもいいと考えたのでしょう。

今回の法改正はそんな建設省の尻拭いを法務省が行うという図式にもなっています。

「ゆとり償還」による破綻についてもこの制度により救済が可能なものも多いでしょう。


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