ノンリコースでの不動産投資




「ノンリコース・ローン」による不動産投資と債務整理



バードレポート第330号2000年12月4日

一年前にはまだ珍しかったノンリコースローンです。しかし今では外資系金融機関による融資競争が始まっています。

ノンリコースでの不動産投資


2億円の自己資金と3億円のノンリコースローンとにより5億円の収益物件を購入しました。

家賃下落で利払い不可となれば、その物件を銀行等の貸主に渡せば(代物弁済)、残債はなくなります。2億円の自己資金をあきらめれば残りの3億円のローンはチャラになります。価格がそれからどれほど値下がりしても、家賃がどれほど下がってもそれは銀行等の損となります。

通常の融資ではその物件がいくら値下がりしても融資額全額への責任と返済が求められます。ノンリコースではその物件以外には責任がありません。これが大きな差です。もちろん個人の連帯保証等などもありません。

ノンリコースが一般化すると収益物件の利回り概念が変わります。投資家が責任を負うのは自己資金の2億円だけですので、利払い後の賃料収入が2億円に対して利回り何%になるかを考えます。つまり責任金額に対しての利回りです。地震リスクもこの責任の範囲内に収まります。

これまでも「レバレッジ効果」と称して同様の考え方をしていましたが、通常の融資では責任金額は5億円ですから、意味する数字はまったく異なります。

ノンリコースローンは「その人の信用」に貸すのではなく「その物の信用」だけに貸します。だから3億円のノンリコースローンを継続したままでの売買が可能になります。つまり自己資金部分のみの売買です。ノンリコースは「物への信用」ですから、その人ではなく、その物についたまま動くのも当然です。

物件価格が5億円から6億円へと2割上がったとき、自己資金部分は2億円から3億円へと5割も値上がることになります。

ノンリコースによって不動産投資の考え方も変わるでしょう。

ノンリコースでの債務整理


バブル借金清算のために金融機関から不動産売却を迫られるバブル債務者はたくさんいます。

金融機関は多少安くとも早い整理を優先します。バブル債務者は別会社を用意してその物件を今の時価で買い取り、旧債務を清算することも多いようです。

こんな時にノンリコースは便利です。「その人」に貸すのではなく「その物」に貸すのですから。普通だったら新規融資を受けられないバブル債務者でも、物件さえよければノンリコースローンが受けられるからです。

ノンリコースでの担保掛目は「売買価格」の何割ではなく、「収益力から考えた物件の本来の価値」の何割となります。

金融機関が多少安くとも売却を許し、「売買価格」が「本来の価値」を下回れば結果的に売買価格の大部分がノンリコースで調達できることさえあります。

ノンリコースの融資条件


ノンリコースローンの最低額、対象不動産の種類や地域等は金融機関により違いますが、現在では一般的には次のようです。

ローン最低額2億円程度で中核都市のビルや賃貸マンションが対象。収益価格への担保掛目は6割から7割。金利は5%から6%程度、期間は5年から7年程度で金利のみ又はわずかな元本のみ弁済、期間満了後の再融資はご相談。

その物件ごとに法人の設立を求められます。SPC法の特定目的会社や有限会社です。

米国流ローンを受けるには


ノンリコースローンはこれまでの日本流の融資とはずいぶん違います。まさに米国流のローンですのです。

耐震レポートや鑑定評価書が求められます。その物件についての過去数年の賃料テナント明細・経費・保険等の詳細な情報の提供が求められます。現所有者からこれら情報を取得できるかが大きなネックとなります。

実行後のテナント家賃はまず金融機関に振込まれ、金融機関は自分の金利等を先に回収をして、残りが所有者に戻ります。

■リンク集証券化・ノンリコース・不動産投資信託関連

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