古貸家の収益力




古いアパート建物は子へ贈与…建物贈与は収益力の贈与



バードレポート第344号2001年3月19日

2003年税制改正で贈与税についての相続時清算課税制度が始まりました。この制度を使うのならばこの貸家建物贈与は有効です。


古いアパートは多額の家賃収入を生んでいても建物評価は低いはず。その建物を子に贈与すれば家賃収入が子に移転します。

Aさんは駅近くの築30年の鉄筋コンクリート造のアパートを親から相続しました。

築年数が古いので管理修繕に苦労はあるものの、ローンもなく家賃は安定的なので、かなりの手取り収入になっています。

家賃収入は年間3000万円になりますが、面積300坪の建物の固定資産税評価は5000万円です。

Aさんは思い切ってこの建物を子や孫あわせて3人に贈与しました。贈与税額は3人合計で1000万円ちょっとでした。それ以外に登録免許税と不動産取得税とで400万円の負担です。

贈与したことで年間3000万円の家賃収入はそっくり3人の子等に移転しました。更に3人に分散したことでその後の所得税負担も減少します。

建物は古くとも安定した家賃収入があります。1000万円の贈与税を払うことで、今後ずっとの毎年3000万円の家賃収入を子等にそっくり移転したのです。

この家賃収入を積み立てることで将来の相続税納税資金の確保にもなります。

贈与する財産


建物贈与では建物固定資産税評価額を基準に貸家として評価し贈与税を計算します。築年数の古い建物は、受取家賃収入に比べて、驚くほど評価額が低いはずです。特に小規模な木造アパートなら贈与税基礎控除額以下のことすらもあります。

だから古いアパートは贈与財産として適切なのです。アパート建物の贈与とは、家賃収益力をわずかな建物評価額で贈与することを意味します。

築年浅い建物は評価が高く贈与税負担が重く困難でしょうが、贈与ではなく建物だけを売買で子に移転することも可能です。

なお贈与時の建物本体以外の構築物付属設備等についての扱いには注意が必要です。

土地は


建物を贈与すれば家賃収入すべてが子のものになりますから、無理して土地まで贈与する必要はありません。土地は子へ無償で貸せば(使用貸借)いいのです。

ただし親にとっての贈与後のその土地は「アパートの敷地…貸家建付地」ではなく「子に使用貸借で貸している土地…自用地」となり、相続税評価は2割ほど上がってしまいます。

それでも贈与時の賃借人が継続入居していれば「貸家建付地」でよいと言われていますので管理会社(同族会社でも第三者でも)にサブリースを継続すれば「貸家建付地」でいいようです。

相続争いは


複数の子に共有持分贈与による建物所有権移転をすることは、将来の相続争いの種をまいたことになります。そのためにその場合は何らかの対応が必要です。

将来の建替時又は相続時の持分を調整をしたり、その他あらかじめ決めておきましょう。

建物全体を複数ではなく一人の子に贈与で移せば争いの心配はありませんが、贈与税の負担が大きくなります。そのためには、建物を何年かに分けて贈与していくことも検討しましょう。

贈与税が払えない


多額の贈与税を払うのも大変ですが、家賃収入が入ることになりますのでそれで払えるようにします。また贈与税の納税は翌年になりますから、翌年には「贈与税の納税資金」の贈与を親がするという方法もあります。

子から親への建物の逆贈与


親の土地に子のアパートがある状態で親が亡くなると、敷地の相続税評価は前述のように「貸家建付地」でなく「自用地」です(例外あり)。よくあるケースでしょう。

そんな場合で、親の相続税が心配な時期になったならアパート建物を子から親に贈与します。

贈与税を払うものの、親の土地に親のアパートが建つ状態になります。敷地の評価は貸家建付地となり、自用地に比べ2割ほど下がり、相続税が大きく減ることにもなります。


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