不良債権最終処理




銀行の不良債権最終処理…債務者はどう立ち向かうか



バードレポート2001年4月9日 第347号

緊急経済対策により、銀行は不良債権の最終処理(オフバランス化)を命じられます。

最終処理とは


民事再生法のような法的整理となれば債権は法的に切り捨てられ最終処理になります。ゼネコン各社への債権放棄のように明確な債権放棄により債権が法的になくなれば最終処理です。外資等へ債権売却してしまえば銀行としては債権がなくなりますので最終処理です。

そこまでいかない間接償却


10億円の融資残で担保不動産の時価が2億円、回収見込額がその2億円だけとしましょう。この場合の銀行の法的債権額は10億円ですが、銀行は内部処理として差額8億円を「貸倒見込額」として貸倒のような処理をします。これが「引当」です。

つまり「債権額は10億円だけれども8億円の貸倒見込額をすでに引当して処理済だから、差額2億円が実際の債権額です」という会計処理をします。これが間接償却と言われるものです。

銀行としては不良債権処理はこの間接償却で終わったつもりになれます。仮にその会社が法的整理に至っても2億円は回収できるつもりです。差額8億円の会計処理はすでに引当時完了済で会計上更に負担が生じることはないはずということです。

しかし実際には最終的に確定していませんから「2億円回収のつもり」でも、本当は1億円なのかもしれません。

今回の緊急経済対策は「2年か3年のうちに最終的に確定させろ」という命令です。つまり法的整理・債権放棄・債権売却を早くしろとの命令です。

これから変わること


これまで銀行はなかなか債権放棄をしません。上のケースで2億円の担保不動産を売却させ2億円を回収すれば「残り8億円は返済不要」との暗黙の了解をすることはよくあります。しかし「残り8億円を債権を放棄します」と明確には言いません。

大手ゼネコンに対しては債権放棄をしても一般の債務者にはしないのが普通なのです。ところが政府から「最終処理」を命じられた以上は銀行も白黒つけなくてはいけなくなります。

債務者としても最終処理への積極対応を考えましょう。銀行が最終処理を進めやすいよう対処しましょう。銀行からの処理を待っていると何をされてしまうか分りません。法的整理は避けたいですし、債権譲渡だとどこに売られるのか不安です。債権放棄を目指しましょう。銀行の対応も変わるはずです。

債務者にとっての具体策は


「経営計画を策定して担保物の売却等での明確な債権放棄」を銀行にお願いしましょう。これまではなかなか困難でしたが、これからは可能性がでてくるはずです。保証人も資産を整理し銀行が内部処理を進めやすい形式を整えます。「明確な債権放棄」となれば本当の再出発です。

事業の継続のためには第2会社方式も検討しましょう。新会社(第2会社)を用意しそこに事業継続に必要な資産や営業を譲渡します。新会社は新規借入等の資金で資産や営業を旧会社から無理ない金額で買取り身軽になり再生するのです。抜け殻の旧会社は残債を抱えたまま清算。清算により銀行も貸倒確定となり最終処理完了です。全体像を見れば実質的債権放棄なのです。

第2会社方式は今までも広く行われた手法です。しかし最近は第2会社への資金付けが厳しくなっていて実行困難になっているようです。特に公的資金注入後、この第2会社への融資に銀行は臆病になったようです。

第2会社方式は最終処理のための手法として再度注目されるはずです。銀行からは「取引先を実質存続させながら、債権放棄もせずに、最終処理を完了させる方法」です。最終処理のために第2会社への必要資金の融資も検討されるはずです。また会社分割法制を使って同様の再生の仕組みも検討されています。

債務者としても最終処理は再出発のチャンスかもしれません。


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