株式交換と会社分割




中小企業も使える…株式交換や会社分割による企業再編



バードレポート2001年10月1日 第370号

含み損をまず処理して


阪急電鉄さんは前期において土地含み損を処理しました。子会社6社が保有する簿価3000億円で時価1000億円程の不動産を簿価の3000億円で親会社が引継ぎました(税務処理不明)。この差額の含み損2000億円を従来から所有の不動産含み益と相殺して処理しました(日経2001.5.2)。

この処理は「土地再評価法」によりなされたもので、損益計算書には現れませんし、この再評価について税務的には課税対象とはならないものです。

時価ベースでの経営指標


「去る3月31日には将来の開発用地として従来子会社等で保有しておりました事業用土地を含め、当社の事業用土地について再評価を行いました。今後は、それぞれの事業用地から、時価をベースに最大限の事業利回りを確保し、グループ全体の事業効率をより高めていくことを目指してまいります。」と「経営方針」として公表しています。

迫り来る時価主義会計に背中押され含み損を処理せざるを得なかったのでしょう。そのために含みはなくなり、時価に対して何%という利益指標を目指して経営していくという意思表明することになったのです。

企業再編-1 株式交換


そしてこの阪急電鉄さんが大胆な企業再編に着手します(日経2001.9.7)。「株式交換」と「会社分割」を活用するものです。こちらは中小企業にも大いに参考になります。

まず関連の阪急不動産さんを株式交換制度を使い100%子会社にして上場廃止します。

阪急不動産さんは上場しており多数の一般株主がいます。

「阪急不動産の株式5株と阪急電鉄の株式6株を交換しませんか」と阪急不動産の株主にお願いします。阪急不動産株主は阪急電鉄株主になってしまうのです。これが株式交換です。

子会社化すなわち企業買収を自社株式を新規発行するだけで行うのです。新規資金負担なしで対象会社の株式をすべて手に入れて子会社化するのです。

米国での企業買収の多くはこの資金不要の株式交換によっているといわれます。日本では99年10月から制度化されました。

企業再編-2 企業再編成


次に、阪急電鉄さんはグループ各社で分散している不動産事業の再編・統合を本格化するといいます。現在グループ13社が不動産事業を行っていてこれを阪急電鉄と阪急不動産とに集約し、不動産の管理について新設の100%子会社に一元化します。

これには会社分割制度を活用すると見られます。グループ各社の事業をバラバラに切り分けてからこれらの会社に集めるのでしょう。

「100%子会社」がグループ経営のキーワードになります。

100%子会社であっても別会社なので事業の合併統合等には会計上税務上で様々な制約があり、思い通りにはできません。

ところがここ2-3年で商法と税法の改正が進み企業組織再編はスムーズになり、特に100%子会社や100%資本関係のあるグループ内でなら合併や事業部門の切り分けについて安心してできるようになりました。「連結納税」として子会社の赤字ならば親会社の黒字との税務上の損益通算まで可能になりそうです。


阪急電鉄さんはまず100%子会社にしてから、分譲部門はこの会社で、賃貸部門はこの会社で、管理部門はこの会社で、といった会社再編をするのでしょう。

中小企業も同じ


企業再編成制度は商法上の制度ですから中小企業も使えます。別会社にすれば給与制度も変えられるし、小回りもきくようになり、経営上のメリットも得られます。そしてもし必要な時期が来たならばその時には合併等再編が自由自在です。

不動産等を所有する会社も将来を見据えた対策が可能です。長男用にA社、次男用にB社と事前に分ければ相続争い対策です。売却予定事業を別会社にしておくということも可能です。

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