生産緑地の営農年数




生産緑地は30年営農・相続税納税猶予は死ぬまで営農義務



バードレポート2001年10月8日 第371号

生産緑地法改正と相続税納税猶予制度改正から10年になります。この制度改正の対象地域は三大都市圏の特定市の市街化区域内農地になっています。

まず、固定資産税


生産緑地の指定を受けたその土地は都市計画上の「農地」に指定されたということですから、当然に農地としてのわずかな固定資産税で、宅地に比べ何十分の1、何百分の1で済んでいます。

一方で建物建築等の宅地転用は原則不可になっています。生産緑地はいったん指定されると30年間は原則解除できません。税金優遇がアメで転用制限がムチなのです。

生産緑地の解除


人には様々な事情があります。そのために30年経過前での解除理由も例外的に認められています。農業従事者が亡くなるとか、病気その他で農業を継続が困難になるということです。

その場合には、生産緑地は解除できます。しかしそれは自由に宅地化できるというのではありません。具体的には市に対して「買取請求」ができるということです。市が欲しければ市に買い取られてしまいます。


金額で争っても収用委員会が価格を決めてしまいます。市が買い取らない場合には、法律上では他の農家等への斡旋を市がすることになります。これも不調となって始めて宅地として自由になります。現実の買取は予算がない市も多く、市によって対応に大きな差があるようです。

そして、相続税の納税猶予


農業従事者が亡くなった場合には生産緑地の解除(つまり買取請求)が可能になります。そうすれば相続税はほぼ宅地に近い評価額として課税されます。

しかし生産緑地を解除せずに、相続人が農業を継続すると、それにより相続税の納税猶予の特例適用が可能になります。(相続発生後にあわてて生産緑地の指定ということはできません。)

生産緑地を解除しての宅地として評価した場合の相続税額を10億円とし、農地として評価した場合の相続税額を1億円とします。差額9億円が納税猶予対象額です。そしてこの納税猶予とは非課税ではないのです。

「差額9億円は本来は納税義務があるのだけれども、農業相続人が約束どおり農業を継続すればその間は納税を猶予するよ。死ぬまで農業すれば死んだときには免除をするよ。」という仕組みです。つまり終生農業を続けて初めて非課税となるのです。

その間に生産緑地の30年の期限がやってきて生産緑地は解除可能となっても、終生営農の税務の約束は残るのです。

農業をやめたときの相続税


万が一、途中で農業をやめ宅地転用すると納税猶予を受けている相続税にその間の金利(利子税)を加算して税務署に支払うことになります。転用面積が納税猶予の全面積の20%までなら転用部分の税金だけでいいのですが、それが20%超となると納税猶予された相続税全額について支払うことになります。

1990年代前半の路線価が高いときの相続税納税猶予では、地価値下りで全農地を宅地価格で売却しても相続税を払えなくなっているケースが多いはずです。

ちなみに子が終生営農して免除を受けても、その相続税は親の相続税です。子の相続税を孫がどうするかは別の問題です。

賃貸住宅の特例はあるものの


現在は1988年から90年までの相続税納税猶予分については、一定の賃貸住宅建築等すれば、その敷地について農業を継続しているとみなすという特例があります。実務的には金融公庫等の抵当権設定が必要になります。

しかし土地には、高額の納税猶予の相続税を担保する国の抵当権がついています。この抵当権の付け替えが困難を極め、実行が難しくなっているようです。

対象地域以外の納税猶予


三大都市の特定市以外についての相続税納税猶予制度は、生産緑地指定は要件ではなく、また終生営農ではなく20年間の営農により免除となります。



「農地の納税猶予」の税務調査…本当に農業していますか?

バードレポート2000年6月5日 第306号



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