民事再生法…事前調整済型




民事再生法施行から2年…事前調整済み型と会社代表者個人



バードレポート 2002年5月13日 第399号

民事再生法が施行されて2年が経過しました。東京地裁では毎月30件の民事再生手続の申立が続いており、その運用も落ち着いてきているようです。

「門前払い」はされない



東京地裁では裁判所に申立をすればそのほとんどが民事再生手続の開始決定を受けられます。つまり「門前払い」はされません。それは結論を債権者集会に委ねるという考え方からです。

開始決定から6ケ月後に債権者集会が行われ、約7割の会社の再建計画が認められています。
(東京地裁以外では認められる割合がもっと高いようです。)

具体的には一定の債権カットを受け残債について最長原則10年の弁済となります。そして実務の中から企業再生についての新しい手法も見えてきています。

事前調整済み民事再生



事前に全債権者又は主要債権者との調整をしたうえ、申立からわずか1ケ月で決議のための債権者集会を開催する方法です。

民事再生法は「同意再生」という特例があり、全債権者から「再建計画に賛成する」という同意書を取れば形式的手続で再建が可能です。しかし一人でも反対者がいるとできません。

ある事案では債権者集会を開いてみると債権額の99%以上、40人もの債権者から賛成が得られたものの、一人が反対票を投じたといいます。一人の反対者がいるために同意再生ではなく通常の形式を選びました。

主な債務者の同意を得ても少額債権者全員の同意が困難といった場合にはこの事前調整済み民事再生は魅力的です。米国でプリパッケージド(事前調整済み)の申立と呼ばれるこの方法は、東京地裁ではこれまで8件あり最短28日平均47.5日後に債権者集会が開催されています。

通常の債務整理では明確な債権放棄の扱いを得るのはなかなか困難です。それは債権者債務者それぞれの税務問題や金融機関としての問題解決が難しいからです。しかし事前調整済みの民事再生ならば法的手続ですのでこれら問題を解決できます。

主たる債権者との合意を取り付けた上で、事前調整済み(つまり「出来レースの」)民事再生手続に入るというこの方法は極めて便利な方法です。
そして裁判所にとっても時間と手数がかからないために裁判所への予納金も減額されるとのことです。

もっとも一般での民事再生手続においても事前にある程度は主要債権者の同意を取っておかなくては、なかなか認められるのは難しいと思われますが。

会社代表者個人の申立



中小企業は代表者個人が会社に対して連帯保証します。会社の民事再生がうまくいっても個人に保証債務が残ります。その保証債務の整理を目的とする代表者個人の再生手続が急増しています。会社の借入金の連帯保証ですから債務額は膨大です。

東京地裁では会社の民事再生手続と同時に代表者個人も手続を申し立てる場合には負債額にかかわらず予納金を一律25万円にします。そして代表者個人が弁済する額は債務額の5%未満あるいは1%未満といった低額となるのが普通のようです。

民事再生が認められなかった場合には破産に移行するのが原則です。代表者の場合はかなり柔軟に扱ってくれるようですが、それでも民事再生が認められなければ、ほとんどのケースで代表者個人の希望により破産手続に移行し、破産宣告を受け再出発をすることが多いようです。

早めに再生への決断を



民事再生手続は経済実情に合わせかつ会社の個別事情も考慮し柔軟運用されているようです。

経営が苦しくなってからも無理に頑張ると手の打ち様のない状況におちいり、債権者に更にひどい迷惑をかけ、また再起も困難になります。真に破綻する前に民事再生をも含め再生の方向を探らなくてはいけません。

(参照記事:NBL2002.5.1号、「民事再生手続の再生計画の実情と課題」園尾隆司東京地裁総括判事 著)

「民事再生法」申請は破綻ではなく、再建への一歩です。
バードレポート 2000年7月17日 第312号


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