自社株式の保有解禁




自社株式の保有解禁によるオーナー経営者の株式現金化



バードレポート 2002年6月3日 第402号

会社が自社(自己)株式を所有するのは禁止でした。資本が名目だけになってしまうからです。

ただし例外がありました。株主に相続があった場合、株主から買い取る必要が生じた場合、株式を消却する必要がある場合等です。もっとも「消却する必要がある」とさえ言えばどんな理由であっても現実には可能だったのですけれども…。

自社株保有を自由とする改正



昨年の商法改正では、どんな場合でもどんな理由でも、定時株主総会で決めさえすれば会社は自社株を堂々と買ってもよくなりました。消却でなく処分(転売)前提でもよくなったのです。

ただしその限度金額はあります。その会社の利益の蓄積部分である「配当可能利益額」です。


その限度金額を越えれば会社が株主から預かった資本部分(資本金と法定準備金)に手をつけることにもなり、タコが自分の足を食べるが如くだからです。

だから自社株式の買取ができる会社は過去に多額の利益蓄積のある会社が中心になります。

もっとも法定準備金は一定額さえ残せば残りを配当財源に回していいと昨年の商法改正が認めました。タコの足の如く過去に株主が払い込んだお金等を配当に回してもかまわないとなったのです(大手都銀がこの手法を使うとして注目されました)。

また商法上の会計処理も変りました。以前の自社株式は有価証券と同様に「資産」として貸借対照表に計上されましたが、これからは「資本」の控除項目です。自社株購入とは減資のようなものだとの考え方に立った会計処理です。貸借対照表の「見てくれ」は大いに悪くなります。

この改正で大きな影響を受けたのは株式市場です。自社株式を大量に買う会社が増え証券市場に活気が生じ、株式持合い解消の手段にもなります。株価対策が商法改正の一番の目的だったようです。

なおこの商法改正は「金庫株の解禁」ともいわれます。自社株式は金庫に入れたままの株式という意味のようです。

非公開のオーナー会社では



オーナー経営者が「少しは株式を換金し浪費したい」と思えばすぐできます。他に売却するのではなく自社に買わせるのですから安心です。売買価格の決定は税務上の難問ですが、やり方次第で相続税も変ります。また相続税の納税資金捻出目的での相続人からの買取も可能です。

オーナーが亡くなり相続税を払うために「将来は会社が買い取ります…」と税務署に一筆入れるならば、その相続株式が物納できる可能が高くなります。

オーナーの相続の結果として多人数に分散してしまった株式の買い集めや整理にも使えます。

非公開会社では普通は株式譲渡制限となっており、株主が株式を誰かに売るときは取締役会承認が必要です。取締役会は「ノー」と拒絶する権利はありますが新たな買い手を手配しなくてはなりません。しかし自社が買い取ってもかまわないのです。

非公開の同族会社の場合には、その株式を現金化するのには苦労します。会社にお金があってもそれは会社のお金であり株主のお金ではありませんから。

しかし会社に配当可能利益の枠があり資金もあるのなら事情は変ります。この手法なら減資等の手続無しで株式の現金化が簡単に可能です。特に相続の前後では有効に活用できます。


有価証券の譲渡課税とは違う



個人が株式を売却したときの税率は26%です。しかしオーナーが非公開の会社に自社株式として売却すると、税務においては「売却」でなく原則では「配当の一種」として扱うことになります。そのために税負担は26%より重くなることが多いはずで、事前の税務プランニングや工夫が重要になってきます。

なお会社が一旦買った自社株式を外部に高く売り抜けると、「売却」でなく「新株発行」類似の取引と考えます。これは損益取引でなく資本取引だとされますので法人税課税無しです。

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