優先劣後株式と相続税対策




優先株式・劣後株式・劣後出資をつかって相続税対策



バードレポート 2002年7月8日 第407号

優先株



「優先株」とは「議決権はないけれど、配当を優先的に受け取れる株式」です。
その会社が多額の財産を所有していれば、会社オーナーが保有する自社株式は高額の相続税評価額になります。会社を売るつもりがない限り、オーナーは配当には興味はなく、興味があるのは会社の支配権です。

まずオーナー保有の普通株を配当優先株に転換し、それを従業員持ち株会等に安く売るという相続税対策があります。

株式は従業員持ち株会等に安く売ります。株式が減り相続財産が減少します。しかし渡した株式には議決権はついていないのでオーナーは会社支配権を維持できるという仕組みです。
なお従業員持ち株会等にでなく、親族に安く売るとその親族に贈与税の課税があります。だから従業員持ち株会なのです。

劣後株


相続税対策に「劣後株」スキームといわれるものもあります。ここでの「劣後株」とは「議決権はあるけれど、残余財産分配請求権はわずかしかなく、配当もわずかな株式」です。

まず大量の劣後株の新株発行をしてオーナーがその新株を引き受けてその株主になります。
会社清算時に残余財産の分配を請求できる金額が1円しかないなら、その財産価値は1円であり発行価格は1円でいいはずだ、と考えるようです。たとえ多額の財産のある優良企業でも1円を基本に発行するようです。

相続税が心配なオーナー経営者は残余財産分配や配当に興味ありません。望むものは会社支配権の議決権です。劣後株とは議決権はあるけれども財産権がない株式です。財産権が1円しかなければその相続税評価額は1円のはず、といわれています。

劣後株の議決権だけで会社を支配できるようにしてから、従前の普通株は従業員持ち株会等に安く売ります。オーナーに残るのは劣後株だけになり、相続税の心配がなくなり、今まで通り会社の支配権を維持できます。

匿名組合ファンドの構造


不動産投資ファンドは匿名組合を多用します。年間利益1億円の収益不動産を10億円で匿名組合ファンドが購入します。匿名組合は様々な出資の切り分けが可能です。必要資金10億円の内5億円は金利2%の社債(借入)を発行し調達します。4億円を優先出資で配当10%、1億円を劣後出資で配当50%。予想以上に利益がでれば劣後出資の配当へ優先的に充当されます。

不動産からの収益は1億円。この1億円から社債金利と出資配当の合計1億円を支払います。
社債は低金利でも安全な投資をしたい人が求めます。優先出資は多少のリスク覚悟で相応の配当を求める人です。劣後出資はハイリスクハイリターンの博打商品。家賃下落なら配当はなくなり、清算時に物件が1億円値下がれば1円も戻りません。

劣後出資での相続対策


さて地主さんが所有する賃貸ビルを匿名組合ファンドに10億円で売却します。社債(借入)と優先出資は外部からの資金とします。劣後出資についてはその地主さん自らが引き受けます。

劣後出資は超高利回りです。もちろん劣後ですから値下がり等心配ですが、最初から心配のないようにファンドを組成させる余地は大いにあります。ビル名を変えずに管理を元所有者が行うことも可能でしょう。そうすれば外見は何も変わりません。

1億円で予想配当50%です。この劣後出資の相続税評価はどうなるでしょうか。相続税評価は将来的に不安定な運用益ではなく、その時の財産価値を基本に考えますから、基本的には1億円と考えると言われています。

そうなら超高収益ですから贈与税を払ってでも、お子さんに贈与します。あるいは最初からお子さんに引き受けさせましょう。評価額1億円でビルを実質的に支配できることになります。

今回のレポートの劣後関連の税務判断は未確定。要注意です。

不動産の信用と会社の信用…500万円単位の不動産証券化
バードレポート 1999年5月10日 第255号

このレポートのデータ等はレポート発行時の1999年5月当時のものです。

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