金融検査マニュアル中小企業編




銀行に切捨てられない為に…金融検査マニュアル中小企業編



バードレポート2002年12月02日 第426号

「金融検査マニュアル」は金融庁の検査官のための手引です。そして金融機関はこのマニュアルに従った管理を行います。各金融機関は債務者(つまり銀行からお金を借りている人)に対する独自の信用格付の基準を持ちますが、その基準の中に次の債務者区分を必ず織り込みます。

(1)正常先(2)要注意先(3)要注意先(ただし要管理債権先)(4)破綻懸念先(5)実質破綻先(6)破綻先

破綻懸念先以降の処理を金融機関は求められます。民事再生等の法的整理、整理回収機構等に債権売却、担保物競売申立だったりします。債務者の心配は「自分がどの区分か」です。しかしなかなか教えてくれません。

銀行取引は自助努力の時代


自分がどの区分なのかに注意しないといけない時代を迎えました。金融機関の処理は早くなります。区分で金利が決まるようになります。少しでもランクアップ、つまり破綻懸念先であれは大急ぎで要注意先へ、要注意先であれば正常先へ向かうことを考えなくてはいけません。

銀行は変りました。中小企業への選別が厳しくなります。渉外担当者が中小企業と密な人間関係を保つ時代は終わりました。

「住宅ローン」債務者である個人に担当者はつきません。多くの中小企業融資も同様になるでしょう。銀行へのウェットな「お願い」は無駄となり、自らの格付けを頼りに銀行とのドライな「交渉」を強いらます。

中小企業向けマニュアル


金融検査マニュアルの中小企業への適用には無理がありました。そこで2002年6月28日に「金融検査マニュアル『中小企業編』」が公開されました。具体的な16事例が掲載されており、自分と比較すれば大体の位置付けが分ってきます。銀行取引をするのなら必読の書です。参考までに以下はその事例からです。(附帯事情がありますので「マニュアル」原本で確認ください。)

具体的にどうなるのか


(1)開業資金2000万円の融資残高のあるパン屋さん。延滞する。サラリーマンの長男が保証人にはならないが支援約束をするとのことで、本来破綻懸念先だけれども要注意先でかまわない。長男の支援意思や収入状況の資料を取るべきだが交渉経緯を文書等に残すことだけでもいい。

(2)借入金800万円の家族経営のトラック運送業。健康を害して売上大幅減。健康状態が回復、長男も後継者として仕事を手伝い、返済は遅れながら続いている。回復が不可なら破綻懸念先だが、現況で今後うまくいくことが具体的な経営改善計画書等の資料で分れば要注意先でいい。

(3)家賃値下がりでビル建築資金を返済できなくなり、約定弁済額を大幅減額した個人。減額後の弁済はキッチリしており決算は赤字でないので金融機関は正常先とした。しかし、債務者の返済能力の低下なのだから要注意先以下にすべしと金融庁。

(4)賃貸アパート購入資金。空室率アップで返済額を大幅軽減し返済期間延長。延長後の期限はアパートの耐用年数以内。金融機関は耐用年数以内での延長なのだから要管理債権に該当しないとしたが、金融庁は耐用年数だけで見るのでなくその他の条件も見なくてはいけない。

その他参考になる事項


○代表者から会社への返済不要の貸付金は自己資本とみなしていい。○代表者へ支払う役員報酬や家賃が高すぎることでの赤字は気にしなくていい。○本来なら破綻懸念先だけれども代表者の個人資産がたくさんあるから要注意先でいい。○信用保証協会の保証があれば、条件変更しても金利が余程低くない限りは、要管理債権に該当しないものとして差し支えない。

マニュアルを参考とし、そして経営計画や再建計画を作成しアピールしランクアップを目指しましょう。現実はマニュアルよりずっと厳しいはず。しかし中小企業には自助努力しかありません。油断すれば切られます。

マニュアルは金融庁ホームページ http://www.fsa.go.jp/



「金融機関の信用リスク検査マニュアルハンドブック」金融財政事情研究会刊2286円…マニュアル中小企業編付きです。

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