清算課税贈与で賃貸建物の贈与




新贈与制度での賃貸建物贈与…建物の贈与は収益力の贈与



バードレポート2003年2月3日 第434号

アパートの家賃を受け取るのは誰でしょうか。それはアパート建物の所有者です。その土地の所有者ではありません。

古く高収益の賃貸建物を贈与


築30年の賃貸マンションがあります。古い建物なので固定資産税評価額は4000万円です。家賃収入は年間で1500万円です。

固定資産税評価額が家賃収入に比べて随分低いと感じられる賃貸物件は、好立地の古い建物、簡易構造の商業店舗等を中心として、結構あるものです。


この賃貸マンションの建物だけを子に贈与しましょう。土地は親所有のままです。

贈与財産の固定資産税評価額は4000万円。この建物は賃貸中なので「貸家」として評価されます。貸家は固定資産税評価額の7割評価なので2800万円です。

これに対する贈与税はいくらでしょうか。平成14年税制なら1224万円。大変な負担額です。

しかしそのような贈与税を払ってでも贈与します。なぜならば1224万円の贈与税を払うことで年1500万円の家賃収入が親から子に移転するからです。10年で1.5億円。贈与したのは建物ではなく収益力なのです。そう考えればこの贈与税はそれ程高いものではありません。しかし理屈は理解できても多額の贈与税は払いたくないのが人情です。

新贈与制度で贈与すると


新贈与制度が始まります。この制度では通算2500万円まで贈与しても贈与税はかかりません。2500万円を越えると越えた部分に贈与税率20%です。

新贈与制度では、最終的に相続税課税時に贈与済財産までも相続税対象として税金の再計算をしますので、相続税節税にはなりません。資産家の相続税対策には使わないのが原則です。

しかしこのような賃貸建物なら検討に値します。このケースで新贈与制度を使うとすると…。

貸家評価額2800万円のうち2500万円までは贈与税は課税されずに、残り300万円に対して税率20%ですから60万円です。

60万円の贈与税負担により年1500万円(つまりその後10年間で1.5億円)の家賃収入がそっくりと子に移転できます。なお登録免許税不動産取得税が160万円(改正税制)かかります。

将来の相続税再計算時には移転済み家賃収入までもが相続税対象にされることはありません。

所得分散の効果まで生じる


親が高額所得者であれば所得税住民税も減ります。家賃収入1500万円分がそっくり子に移転しますから。子の所得が少なければ所得分散の効果は大です。

課税所得1800万円以上への所得税住民税率は50%です。家賃1500万円に対する経費300万円としてこの所得を1200万円としましょう。親の税率が50%なら家賃への税負担は600万円です。

子が無収入だったのならばこの家賃収入に対する所得税住民税は300万円程度になります。税負担は300万円減ります。10年で3000万円の差です。

子が長期に渡って家賃収入を貯蓄すれば、多額の相続税納税資金を積み立てることが可能になります。

贈与でなく売買も可能


贈与でなく「建物売買」で同様の効果が得られます。売買であれば固資税評価ではなく「建物の時価」を正しく定めてその金額で売買することになります。

そうすれば贈与税課税ではなく、建物売却をした親に対する譲渡所得税の課税になります。

その場合も親の建物未償却残高と時価とが同額ならば譲渡益は生じないので課税はなしです。

土地の評価はどうなるか


賃貸建物だけを子へ移転すると敷地の評価は「貸家建付地」から、子へ無償(使用貸借)で貸付けている土地として「自用地」とされ評価アップが原則です。

その場合でも移転前からの賃借人が賃借継続中なら「貸家建付地」でよいといわれています。

それですので移転前に(同族)管理会社へサブリースをする等を行ないます。そうすればサブリースが継続する限りは移転後も「貸家建付地」のままです。



バードレポート第344号2001年3月19日
古いアパート建物は子へ贈与…建物贈与は収益力の贈与



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