鉄骨溶接不良・海砂コンクリート




要注意の建物…鉄骨溶接不良・海砂コンクリート・新耐震基準



バードレポート2003年4月7日 第442号

不動産投資での要注意の建物。

1970年代の鉄骨造の建物


舞鶴市で1981年以前建設の14の体育館のうち10で溶接不良とわかり補強工事。不良をだした建設会社や鉄骨製作会社は特定の一社ではなく数社です。これは当時の溶接レベルが一般的にその程度だったということ。(日経アーキテクチュア03.3.17号)

1970年代前の建築現場では熱した鉄のリベットで鉄骨をとめました。しかし溶接の方が安価で静かなので一気に溶接が普及します。しっかり「溶け込み溶接」が行われ盛り上がった溶接部分は鉄骨本体より強い強度を持ちます。現在なら技術も高く検査もしっかりなされています。

しかし過渡期の70年代は経験不足であり、溶接に問題のある鉄骨造建物は多いようです。70年代の鉄骨造建物は要注意です。


鉄骨造は鉄がむき出しになりやすく、維持管理次第で状態が大きく変ります。海に近ければ鉄は早く腐食し、2-3oの軽量鉄材なら両側から腐食し5年程でほぼなくなることもあります。

1970年前後西日本のRC建物


鉄筋コンクリート(RC)柱の中の鉄筋は普通なら錆びません。コンクリートがアルカリ性を保っていればその中にある鉄筋は錆びないのです。しかし一旦鉄筋が錆びると鉄筋は倍以上に体積膨張して周囲のコンクリートへのひび割れを起し、コンクリートはどんどん弱くなります。

コンクリートには砂を使います。西日本は砂を海で採取することが多かったようです。海で採取しても、よく洗浄すればいいのですが、1970年前後の西日本では洗浄不足で塩分を残した海砂が多く使われました。その塩分が20年30年かけてコンクリート中の鉄の腐蝕をすすめています。山陽新幹線のトンネル崩落も同じ時期のものです。

水分の多いコンクリートは現場作業がすすめやすくなるので、水の多いコンクリートが使われてしまったRC建物もあります。

コンクリートが固まって水が抜けるとそのすき間に炭酸ガス等が入り込み中性化し、鉄筋が錆びやすくなります。
西日本の海砂だけでなく全国的に中性化したコンクリートにも注意です。

1981年の新耐震以前の建物


1968年十勝沖地震でRC柱の破壊が注目されました。RCの柱はたとえ地震で大きく曲がったとしても、曲がったままで建物を支えると思われていました。

しかし地震により柱が一気に崩れコンクリートがボロボロと崩落し鉄筋だけとなってしまい、建物を支えられなくなるということが分りました。「せん断破壊」です。道路橋脚等で鉄板巻補強された柱を見かけますがこの補強です。この教訓で1971年の建築基準法改正されます。

1978年に宮城県沖地震でピロティと壁の偏在が注目されます。

マンション1階の駐車場のようにほとんど柱だけで建物を支えている階をピロティといい、地震には弱いものです。また壁配置のバランスが悪いと地震のゆれで建物がねじれ崩壊します。

これら教訓が1981年建築基準法改正となります。

1971年改正と1981年改正が区切りであり、特に1981年改正が「新耐震」と呼ばれています。それ以前の建物なら注意です。

ちなみに新耐震だからといって、大地震でも壊れないというものではありません。壊れはするが、柱が残る等で人命を守る壊れ方をするということです。


阪神大地震で大破以上の被害を受けた新耐震RC建物が10数棟ありましたが,ほとんどがピロティの建物です。新耐震でもピロティは要注意です。

設計図書や検査済のない建物


設計図書がない建物は,建物診断をすることすら大変です。その後の維持改修工事に苦労することは言うまでもありません。

築年の古い建物では改修工事で、無理に壁をとったり梁をそいだりと、建物構造が大きく痛んでいるものも多くあります。

検査済証がないという理由だけでノンリコースローンがでないこともありえます。





cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
その他不動産関連

このレポートと同じ年分リスト
2003年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif