種類株式・新株予約権と税務




種類株式や新株予約権での経営権確保…税務での対応困難



バードレポート2003年4月14日 第443号

複雑な種類株式で経営権確保


商法改正で様々な株式発行が可能になりました。例えば…

A種株式…この株式には優先して配当を行うが議決権はない。

B種株式…会社全体の事業業績ではなく、特定の事業部門の業績に応じて配当額を決定する。


ダイエー等への銀行融資が続々株式に切り替えられています。銀行は貸主から株主に変ります。債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)です。銀行は他社議決権の5%超を有してはいけないので、こんな時にも使われるのがA種株式のような無議決権配当優先株です。

新聞の株式欄に「ソニーSCN」株があります。ソニーの全額出資子会社のソニーコミュニケーションネットワークの業績を対象にしたソニーのB種株式と思ったらいいでしょう。子会社の株式でなくソニーの株式です。

C種株式…他株式に優先し配当を受ける。株主総会では利益処分決議に対してのみ議決権を有し、他の議案についての議決権を有しない。取締役を選任できない。会社の帳簿閲覧を請求する権利を有しない。上場申請の際は普通株式に転換される。

D種株式…他株式に配当して配当原資が残った場合に限り配当を受ける。取締役5名中で4名の取締役を選任できる。重要な財産の処分についてはD種株式だけでの株主総会決議が必要。


現行商法でこんな種類株式も発行可能です。公開を目指すベンチャー企業にベンチャーキャピタル等の投資家が出資するに際し、投資家はC種株式を、経営者はD種株式を引受けます。

投資家は経営には口を出さないが、公開したときのキャピタルゲインを確実に得られます。経営者は経営権を確保できます。

投資家と経営者が経営について約束事を定めることも多いのですがこれは紳士協定。商法上無意味です。しかし商法改正でこれらの種類株式を発行できれば約束を確実なものにできます。

商法改正に追いついていけないのは税法です。C種やD種株式の「時価」や「相続税評価額」はいったい幾らなのでしょうか。現行税法での対応は不可能です。

新株予約権の時価はいくら?


最近の話題に新株予約権(ストックオプション)があります。従業員役員等の少数株主非株主に無償等で発行する新株予約権は税法上も整備されてきました。

問題は公開を目指すベンチャー企業がその経営者に発行する新株予約権です。例えば5万円払えば1株引受けられるという権利です。将来株式が時価15万円になっていても権利行使により5万円で引受けられます。

投資家から出資を受ける際、前記の種類株式を使わずとも、経営者が新株予約権を大量に引受けることで実質的に株主権経営権を確保することがあります。

無償等の有利条件で新株予約権を受けると、新株予約権行使で株式を5万円で得た時点で時価との差額10万円が利益として所得税課税です。実際に売却し現金化していないにもかかわらず課税です。(一定の例外あり。)

実は、有利でない条件で新株予約権を引受けるのなら、この予約権行使時の課税はありません。つまり無償等(有利)でなくこの新株予約権の時価を算定して時価を会社に払っておきます。

株式の時価でなく「株式を将来5万円負担で引受ける権利…新株予約権」の時価です。株価が15万円に上がっても1万円に下がっても5万円で引受けです。

値上がり確実なら高い時価でしょうが、ベンチャー企業の将来なんて誰もわかりません。倒産もありえます。しかし将来の課税回避にはこの「時価」算定が必要なのです。これまでの実務は発行時株価の1-2%をザックリ時価と定めて行いました。

「1-2%じゃおかしいだろうが」と主張する専門書が最近出版され実務が混乱しています。

おかしいかもしれませんが未公開企業の新株予約権時価なんて誰にも分らず現場は困惑です。幾らならいいのか。これも現行税法で対応するのは不可能です。





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