小規模宅地評価減…70坪自宅




小規模宅地評価減…70坪自宅と多少の預金なら相続税非課税



バードレポート2003年4月21日 第444号

自宅70坪が相続税の基礎控除


相続税基礎控除額は相続人が配偶者と子1人なら7000万円。しかし都市部では自宅だけでも基礎控除額を超えます。坪100万円なら70坪で7000万円です。

そこで相続税法では土地については面積的基礎控除として「小規模宅地の評価減制度」を設けています。亡くなった方が所有する全ての土地のうち60坪ないし120坪の土地を相続人に選択させて、その土地については特別の評価減を認めます。

配偶者ないし同居の子が相続した自宅敷地を選択したならば、70坪(厳密には240平方メートル)までについて80%引きになります。

前記7000万円の土地ならば80%引きして1400万円で済みます。これならば他に数千万円の預金や保険金等があっても相続税はかかりません。つまり自宅敷地70坪と多少の預貯金なら相続税はかからない仕組みとなっており、この70坪が言わば基礎控除なのです。こうして相続税大衆課税を回避しているのです。


この評価減制度は自宅敷地だけでありません。アパート敷地なら60坪(200平方メートル)までで50%引き。子が親の商売を継いだ店舗の場合は120坪(400平方メートル)まで80%引き等と定められており、これらの中から選択します。亡くなった方が何ケ所もの広い土地を所有していても、そのうちで最大120坪までしか使えません。

また坪単価の高い地主さんが多額の評価減をとれる仕組みになっています。坪10万円の自宅なら、坪10万円×70坪×評価減80%=560万円。ところが坪1000万円なら坪1000万円×70坪×評価減80%=5億6000万円。

つまり都市部の土地所有者に有利な税制です。幾つもの土地を所有している地主さんなら最も坪単価の高い土地での特例適用を検討するのが鉄則です。

地方の地主さんが東京都心部のビルを相続税対策で購入する理由がここにあります。60坪のビルを購入するとその敷地は50%引きです。坪1000万円60坪なら6億円ですから、その50%の3億円の評価減がとれます。

使えない人に使わすために


この評価減を適用できないケースがあります。全財産が現金とか有価証券の場合等です。折角の制度があっても使えません。

父親の相続のときに子が不動産を相続し、母親が現金を相続しました。母親の財産は現金1億円です。これは相続税が心配な金額です。母親は土地を所有していませんから小規模宅地評価減を使う余地はありません。

母親と同居中の子が自宅敷地坪100万円×70坪=7000万円を所有しています。この自宅敷地を母親に買ってもらいましょう。売買契約書を作成し、母から子へ7000万円を移し、土地の登記名義人を母に移します。

母の財産は自宅敷地7000万円と現金3000万円になります。自宅敷地は評価減の80%引きが適用できるようになり1400万円に対する課税で済みます。

母親が亡くなった時の相続税課税対象は自宅敷地評価減後で1400万円と現金3000万円。もう相続税の心配は不要です。


この節税目的の売買であっても、実際に売買が行われれば否認されません。注意すべきは時価で売買するということです。時価との差額は贈与税の課税対象になってしまいますから。

そして一番大きな問題は、子に対して土地売却としての譲渡所得の課税です。この回避ができるかが最大のポイントです。

父親の相続税申告から3年内なら相続税を経費化できるので課税がなしとなることもあります。また購入後に値下がりした土地ならば課税は生じません。

応用策としての「交換」。母親が小規模宅地特例適用不可の宅地を所有していれば、譲渡税がかからないよう注意して、その宅地と子所有の自宅敷地等を交換します。母親相続時には母所有の土地で評価減が使えます。

登録免許税と不動産取得税の課税を忘れてはいけません。

小規模宅地評価減をどう使うかは相続税の重大な注意点です。




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