生命保険の原価




生命保険の原価率…払った掛け金と死亡保険金との関係



バードレポート2003年5月5日 第446号

生命保険の原価はどのくらい


最近は同じ生命保険でも保険料に随分差がでています。そこで生命保険の原価を調べました。

30歳契約期間10年で死亡保険金1000万円の定期保険です。定期保険とは満期保険金がない掛け捨ての生命保険です。


保険業界の「生保標準生命表1996」を入手しました。これは生保22社による約40万人の死亡件数の実績を集計したものです。

この生命表では男女別に何歳の人は何人死ぬかという統計をまとめています。そしてこれら統計をもとにして保険会社は保険料を決定します。

35歳男では、生存数97,715・死亡数103とあります。生まれた数つまり0歳生存数を100,000人として、35歳まで生き残る人数は97,715人であり、35歳での1年間でそのうち103人が死んでいくという実績を意味します。

なんで35歳のデータなのかというと30歳契約で10年間の定期保険ですから10年間のちょうど中間の35歳を見たかったのです。

保険会社が死亡者数103人の遺族に払う「死亡保険金」全額を、契約者数97,715人が保険会社に払う「掛け金」でまかない、収支が相当するとします。つまり死亡保険金を支払うにはいくらの掛け金が必要なのかを、生命保険の原価としましょう。

103人に1000万円づつの保険金を払うと10億3000万円。それを97,715人でまかなうと一人1万540円。これは1年間の掛け金ですから12で割って1ケ月あたりの掛け金に直すと878円です。

厳密には30歳の死亡率と39歳の死亡率は違います。また今すぐ支払う1000万円と10年後に支払う1000万円は利子を考慮すれば価値が違います。だから一定の割引(予定利率)をして計算します。また死んだ後の掛け金は支払われませんからけっこう複雑な計算が必要です。

毎年の年初に全掛け金支払い・年末に全保険金支払い・利率2%としてこの複雑計算をしてたら掛け金年額10313円、1ケ月あたり859円となりました。

30歳男期間10年で死亡保障1000万円の定期保険の原価は月額掛け金859円なのです。

同様に計算して40歳1962円、50歳4997円となりました。


実際の保険料はいくら


保険料が極めて安いと評判のオリックス生命のインターネット通販での30歳男10年1000万円定期保険の月額掛け金1900円。40歳3120円、50歳6450円です。

それぞれ原価率は45%、63%、77%となりました。
何歳であっても集金等かかる事務経費は変らないのでこうなるのでしょう

なお通常の生保の掛け金はこのネット通販商品よりもかなり高く2-3割高いこともあります。

年齢30歳での原価率は通販商品でなければ4割未満でしょうか。30歳だけでなく全世代をならしても掛け金の半分程は保険会社の経費に消えそうです。

なお養老保険や終身保険のように積立部分が大きいものは、積立部分も原価になりますので原価率は9割にもなるようです。しかし積立部分は貯蓄ですから「死亡保障」としての生命保険の原価とは違います。銀行預金でそんなこと考えますか。

「収支相当の法則」て本当?


「生命保険は『収支相当の法則』による世の中の助け合い制度」と説明されます。でも半分が保険会社の経費というのならその説明はおかしいでしょう。

屋台のラーメンの原価率は2-3割でしょう。それでも美味なら皆納得します。保険というシステムのために経費がかかるのはやむを得ないとの割り切りが必要であり、必要な保険システムや満足できるコンサルティングのために経費は必要です。

重要なのは「生命保険の原価」はその程度と理解した上で生命保険をうまく使うことです。

「安ければそれでいい」だと失敗します。生命保険はコンサルティングが必要な商品です。

人件費が必要なコンサル販売がされる複雑な商品は、通販専用のコンサルなし超単純商品より掛け金が高くなって当然です。


生命保険の原価…計算明細



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