マイホーム売却損益通算




バブル期購入のマイホーム売却…買換特例を使っていないか



バードレポート2003年6月23日 第453号

売却損で源泉税還付


バブル期に購入のマイホームは値下がりです。15年前に1億円で購入したマンションを半値の5000万円で売却としましょう。

売却損なら譲渡所得税はかかりません。それどころが売却損を他の所得と通算し、サラリーマンなら源泉所得税が還付です。


購入価格1億円の内訳を土地6000万円と建物4000万円としましょう。建物は償却費相当額を控除した金額が原価になります。非業務用RC建物で期間15年だと建物価格の20%(厳密には定額法0.9×償却率0.015×15年)が償却費相当額になります。

土地原価6000万円+建物原価3200万円(=4000万円−4000万円×20%)=9200万円。売却損益は売却額5000万円−原価9200万円=売却損▲4200万円。普通のサラリーマンなら源泉所得税全額還付となります。

買換特例を使っていたら


しかしバブル期購入のマイホームは要注意です。そのマイホーム購入時に居住用買換特例を使っていないか?…。もし使っていたらどうなるのでしょうか。

バブル時に先祖代々の土地建物を1億円で売却し、その代金でこのマンションを購入し、税務申告で居住用買換特例を使ったとします。するとこのマンションの実際の購入価格は1億円であっても、税務上では1億円で購入したことにはなりません。

税務では売却した先祖代々の土地建物の購入金額(取得費)を引継ぎます。それは不明かほとんどゼロでしょう。その場合は売却額1億円の5%500万円でマンション購入したとみなします。


500万円の60%が土地で40%が建物です。土地原価300万円+建物原価160万円(=200万円−200万円×20%)=460万円。売却損益は売却額5000万円−原価460万円=売却益4540万円。

源泉所得税還付と思っていたものが譲渡所得税課税です。売却益4540万円から居住用3000万円特別控除を差し引き税率を乗じ税額は200万円程でしょう。資金繰りが狂います。 

なお「5%500万円」とは売却資産1億円に対する譲渡所得の概算取得費5%です。かつては買換資産の取得費は5%でなく限りなくゼロとの見解もありましたが、東京国税局は02年2月14日文書回答により5%でかまわないと明らかにしています。

どうやって確認するのか


買換特例を使ったか否かはどこにも書いてありません。15年前の申告書に書いてあるだけです。そんな昔の申告書なんて残していないでしょう。

だから「購入資金の1億円はどうしたのですか」と所有者に必ず尋ねます。「貯金と住宅ローンで買った」ならいいのでしょうが、「前の自宅を売却した資金で」なら要確認。「その時の税務申告はどうしました?」


居住用特例は何を使ったか


マイホーム売却時の税務特例は大きく分けて二つです。居住用買換特例と3000万円特別控除です。当時に3000万円特別控除適用なら心配不要で、実際の購入額と税務上の購入額は同じです。問題となるのは当時に買換特例を使った場合です。

目安…。当時の売却益が3000万円までなら3000万円控除を使っていることがほとんどで、特にサラリーマンなら間違いないはずです(自営業なら国民健康保険料の関係で買換特例を使っていることもあります)。

当時の売却益が3000万円を越えてくると居住用買換特例を使っているケースが増えてきます。

バブル期の高額マイホーム


バブル前後に購入したマイホームの売却については「買換特例適用の有無」についてのチェックが必要です。

バブル期の東京では数億円と高額だったけれどもごく普通のマイホームが沢山あり、それらが最近は数千万円で売却に出されています。これらで判断を誤ると多額の修正申告になります。

心配なら税務署に過去の申告を確認し、くれぐれもご注意を。

注…今回のレポートでは譲渡費用は無視し勘案していません。




…参考…バードレポート2004.1.12.号より抜粋

マイホームの売却損の損益通算の制度


(1)値下りマイホーム売却は、住宅ローンによる新マイホームの購入(買換)さえすれば、損益通算と繰越控除が可能。

(2)売却後に住宅ローン残債が残るのならば、買換せずとも、売却損のうち売却後ローン残額までは損益通算と繰越控除可能。

見方を変えると次になります。

(1)住宅ローンがなければ、新たな住宅ローンでの買換を条件に売却損全額が損益通算繰越控除可。買換しなければ全額不可。

自己資金での買換ではダメで、住宅ローンでの買換が必須です。

(2)住宅ローンがあれば、新住宅ローンでの買換をすれば売却損の全額が損益通算繰越控除可。買換しなくとも売却損のうち売却後住宅ローン残額を限度として損益通算繰越控除可。

(所有期間・所得金額・買換資産面積・売却先等の制約がありますのでご注意ください)




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