不動産譲渡損の損益通算規制(1)




緊急!! 個人所有の値下がり投資用不動産は年内に売買を!



2003年12月18日 第477号 緊急特別号

平成16年度税制改正では不動産関連はおおむね減税です。

延長不可といわれていた「事業用資産の買換え特例」までもが3年間延長されました。

とてつもない大増税


そんな中で、とてつもない大増税が行われます。12月17日決定の自由民主党税制改正大綱の原文でお伝えします。

「土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得との通算および翌年以降の繰越しを認めない。(注)上記の改正は、平成16年分以降の所得税……について適用する。」

凄まじい影響を及ぼす改正


これまでなら不動産売却をして売却損が生じた場合には、その売却損は他の所得から控除できます。投資用不動産を売却して売却損が5000万円生じたとしましょう。その売却年の給与所得・事業所得・不動産所得の黒字が2000万円であったならば、売却損5000万円とこの黒字2000万円とを損益通算して、この年の課税所得はゼロになります。

しかし来年からは違います。不動産の売却損は、他の不動産の譲渡による所得(売却益)を除き、他の所得との通算は認められなくなります。だから黒字2000万円に対してはそっくり所得税住民税課税となります。

またこれまでは、この売却損5000万円と黒字2000万円を損益通算してもなお引き切れずに残る売却損3000万円について、青色申告者であれば、翌年以降3年間繰り越すことができました。翌年以降の給与所得等から控除することが可能だったのです。

だから値下がり不動産を処分すると売却年とそれ以降3年間、合計4年間までの所得税住民税の減額が可能でした。この減額分まで収支に織り込み不良債権処理を進めることもありました。

改正により来年売却分からは、引き切れない売却損について翌年への繰越は認められなくなります。だから残った売却損3000万円はすべて切捨てとなります。

つまりこの改正は、(1)不動産売却損について給与等の他の所得との損益通算を認めない。(2)不動産売却損については繰越控除を認めない。ということです。


なお別荘と自宅は扱いが違います。特に自宅の売却損については一定の要件に該当なら3年間の繰越しが可能であり、その要件は来年より拡大されます。

対象者は?・いつから?


この改正の対象となるのは、税制改正大綱を見る限りは個人(所得税住民税)に限れ、法人(法人税)は改正がない模様です。

また「平成16年分以降の所得税」とされていますので来年1月1日以降の譲渡分からと読めてしまいます。このような増税改正は法案が国会通過後の4月1日譲渡分からとなるのが通常なのですが、はっきりしません。

現実的対応をどうするか


詳細に不明なところが残ります。しかし現実の対応として、個人として値下がり不動産をお持ちの方は、12月中に売却しておくことが大切です。

もちろん外部への売却など間に合うはずもありません。自分の会社や家族等への売却しかありえません。


(1)現在の正しい時価を定めます。近隣の不動産屋さんに確認したり不動産鑑定士さんに超特急でお願いします。算定根拠を明確に残しましょう。(2)売買契約書を締結します。契約日を年内にすれば引渡日は来年でもかまいません。(3)公証人役場で確定日付をとるとか手付金決済をするとかの工夫をします。(4)平成15年の譲渡として来年3月15日までに確定申告をします。(5)コストは登録免許税と不動産取得税、登記費用。(6)税理士さんと相談の上で自己責任でどうぞ。

対象となるのは、バブル塩漬けの不動産・値下がり投資用不動産・値下がりワンルームマンション・その他バブル以降に購入したほとんどすべての不動産となります。自宅と別荘は扱いが異なりますのでご注意を。


続報!! 2004年度税制改正…不動産と株式を同じ課税体系に
不動産譲渡損の損益通算規制(2)




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