包括根保証がなくなる




包括根保証がなくなり、銀行員は取引先に書類を取りに回る。



2004年3月1日 第487号

銀行と取引をすると銀行員は「保証書」とか「保証約定書」といった小さな紙を持ってきて、サインしろといいます。

銀行取引するのだから保証するのは当然だと思い署名押印します。簡単な書類なので控えを受け取らなかったり、小さな紙なのでどこかにまぎれたりしてしまう簡単な書類です。

簡単な書類なのですが内容はすごいものです。ある銀行の書式には「保証人は貴行に対して現在および将来負担するいっさいの債務について、債務者と連帯して保証債務を負います。」

現在及び将来について、限度額なく、期間制約なく、一切合切保証するのです。これが「包括根保証」です。


包括根保証の有効性


これ程に一方的に厳しい内容であっても法的には有効だと古くから判例で認められています。だから銀行はとりあえずこの包括根保証をとりたがりました。

ただし取引開始後相当期間経過したときや、相当期間経過しなくても主債務者の信用が急激に悪化したときなどには保証の解約権があるとし、保証人が死亡したときはその後に発生した債務については保証されない等という判例もあります。あまりにも重い保証内容なので、単純にその保証を認めては問題があるとして、判例では包括根保証そのものは有効としながらも、その効力に各種制限を加えてきたのです。

包括根保証がなくなる


法務大臣は2月10日の法制審議会で次のように挨拶し、包括根保証制度の見直しを諮問しました。

「中小企業等が借入れを行うに際し、会社の代表者等が締結する保証契約の内容について法律上特段の制限が設けられていないため、特に、金額や期間に制限がない包括根保証については、保証人が極めて厳しい責任を負うこととなる場合があるという指摘がされております。

そこで、保証契約の内容を適正化し、保証人となる者に適切な保護を与えるという観点から、保証制度の見直しについて御検討をお願いするものです。」


さてどう法改正されるのでしょうか。読売新聞(2004.1.10.)には次のようにあります。

「具体的には個人保証に上限額の設定を義務づけ、融資契約時に貸し手と借り手が話し合って設定できるようにする方向だ。

保証期限についても、契約を結んでから5年以内に発生した債務までを基本とし、3年を過ぎれば保証額の確定を債権者に請求できる仕組みを軸に検討する。


法務省は今秋の臨時国会にも民法改正案か特別立法案を提出する方針で、早ければ2005年から包括根保証という慣行は認められなくなる。ただ、既存の包括根保証契約が一斉に無効になると、「金融機関の猛烈な貸し渋りが起こる」(金融庁)懸念があるため、新ルールの適用は新規契約や契約更新時からに限るなどの経過措置を考える。」

各銀行の動きへの対応


この改正動向を先取りして一部銀行は動き始めています。

銀行はかつては包括根保証の保証書を保証人からとるのが当然でした。しかし包括根保証という慣行そのものがこれからなくなるのです。過去の包括根保証が有効だとしてもその確実性は薄れていくのでしょう。

昔からの取引の銀行の担当者が新しい「保証書」や「承諾書」「確認書」といった表題の書面をもって各企業を回り始めます。

包括根保証ではなく特定債務(何年何月何日付の幾らの手形借入)についての保証だったり、期間や限度額や特定取引に限定する限定根保証だったりします。包括根保証でしか個人保証されていない債権の保全のためです。

「形式だけですからお願いしますよ」と笑いながらやってくるのでしょうが、この事情です。お願いに応じるか否かは自由です。条件が許して、かつイヤなら突っぱねればいいのです。


対応を考えておくといいでしょう。多分やってきますから。

●その後…2005年4月1日施行の民法で改正されました。


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