生命保険の自殺での保険金免責は




生命保険での自殺免責規定・告知義務違反での保険金支払



2004年4月26日 第494号

生命保険を契約してからの自殺はどう扱われるのでしようか。商法は次のように定めます。

「被保険者が自殺…に因りて死亡したるときは保険会社は保険金額を支払う責に任ぜす。」

つまり商法上では、自殺では期限なく保険会社に保険金支払義務はありません。

保険会社は自らの保険約款で期限の定めを行っています。

現在では「責任開始日の日からその日を含めて2年以内の被保険者の自殺により被保険者が死亡したときは死亡保険金を支払わない」といった内容です。


この免責期間「2年」は、かつては「1年」でした。

遺書も残さずに自殺


約款での免責期間が1年だった時代での自殺での死亡保険金の支払いが裁判となりました。

借金を抱えた経営者が仕事先の建物の屋根から転落し死亡します。遺言は無いものの、借入金の状態や生命保険の状況等から裁判所は自殺と判断します。

多くの保険契約がありましたが、そのうちで契約から1年経過分の生命保険会社4社の保険金6億円が問題となります。

免責期間1年内の自殺について保険金を支払わないのは当然です。しかしその1年経過分について約款にかかわらず、保険会社は次のように主張しました。

「社会通念上認められる危険選択の限度を明らかに超えた公序良俗に反する巨額の保険金を受取人に取得させることを専らの目的として自殺を敢行したものであるから1年内自殺免責特約の適用はなく、商法の規定により、保険金支払義務を負わない。」(東京高裁の判決より)

保険会社は自ら定めていた約款での免責期間を定めにもかかわらず、その期間を超えての免責を求めたのです。

東京高裁は免責期間経過後でもその自殺が保険金を主目的だと主張立証した場合には保険会社は保険金を払わなくていいとして、保険会社を勝たせてしまいます(2001.1.31)。

最高裁では保険金支払い


最高裁判決で逆転しました(2004.3.25.判決)。

免責期間の定めとは、その期間内なら無条件に免責だが、逆に期間経過後なら、犯罪行為や公序良俗違反等の特段の事情がなければ、自殺の動機や目的が保険金であっても免責とはしないと解するべきだ、としました。

保険会社は「人間とは自殺を覚悟してから1年間も生き続けるほど強い生き物ではない」として1年の免責期間を自ら定めたのだろうから、1年を経過した自殺には約束通り死亡保険金を支払え、という判決です。

現実には免責期間を過ぎると突然に保険金支払いを伴う自殺が始まるようです。

つまり人間はかなり「強い生き物」のようです。

現在の保険会社では自殺は2年免責がほとんどですが、調べたところ3年となっている会社もありました。この判決を機に3年へとなっていくのでしょう。

告知義務違反


さてトラブルが多いのは告知義務違反です。契約に際して自分の病気を黙っていたり、ウソの告知をした場合です。

それを保険会社が知れば契約解除ができますし、そして保険金や給付金も支払われません。

ただし契約日から2年を超えると保険会社からは契約解除することはできなくなると、保険会社はその約款で定めています。

ここに「誤解」が生まれます。「2年経過した場合は、告知義務違反に問われない。」「入院しても2年間は給付金請求をせず、2年経過してからの入院分について給付金を請求すればいい。」という説があります。これは明らかな間違いです。

2年を超えると保険会社は原則では解除できませんが、一定の告知義務違反ならその後も解除ができるという保険約款も多く、給付金保険金の支払いもしません。つまり告知義務違反についての免責期限はないのです。


なお告知義務違反と関係のない入院等なら支払われます。



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