取得費加算の期限を半永久的に延長




相続税の取得費加算の期限を半永久的に延長する方法



2004年6月28日 第502号

相続税の取得費加算の特例


相続税を払った相続財産を売却した場合には、譲渡税が軽減される特例があります。その財産について払った相続税を取得費に加算できるのです。

「取得費に加算」というと分かりにくいのですが、売却益が生じるのなら「譲渡税の経費にできる」と同じに考えましょう。

評価額1000万円の株式でこの株式に対して相続税300万円を払っていれば、この300万円が売却時の譲渡税の経費です。

土地は特に優遇されています。評価額1000万円の相続財産A土地に対しての相続税が300万円であっても、A土地の売却に際して譲渡税の経費になるのはこの300万円だけではありません。

相続した土地がA土地を含めて合計3000万円であり、これら土地すべてに対する相続税が900万円だとすれば、300万円ではなく、すべての土地に対する900万円までが経費になります。

つまり売却土地ばかりでなく全土地に対する相続税が経費になるのです。譲渡益が900万円までなら譲渡税なしで土地が売却できることになります。

これは「取得費加算の特例」と呼ばれるものです。ポイントは売却の期限です。取得費加算の期限は亡くなってから3年10ケ月となります。この日を1日でも経過するとこの特例は使えなくなってしまいます。

土地売却の実務では、この期限を意識して、期限に間に合うように売却していきます。

期限を半永久的に延ばす方法


さて問題は「今すぐは売却しないのだけれども、いずれは売却する土地」です。

つまり3年10ケ月の期限内で売却すれば譲渡税がかからないにもかかわらず、その期限内では売却しない土地。しかしその後の数年内に売却する可能性の高い土地です。


期限経過してからの売却となれば譲渡税が課税されます。これは仕方ないことですが、せっかくの特例がもったいない・・・。

ここでウルトラCがあります。期限内に受け皿会社に売却しておくのです。自分の会社を受け皿にして、期限内に会社にA土地を時価で売却しましょう。

ここでは時価も1000万円だとします。取得費加算の期限内に相続人が自分の会社に時価で売却します。ほとんど譲渡税なしでの売却となるでしょう。

そしてその会社はA土地を1000万円で買ったのですから、会社としてのA土地の原価(帳簿価格)は1000万円になります。

さてそれから数年後。第三者への売却の時期が到来しました。

売却価格も1000万円としましょう。A土地の所有者はすでに相続人から会社に移っています。


会社は原価1000万円の土地を1000万円で売却することになります。売却益は0円ですので売却益に対する課税はありません。

つまり取得費加算の期限が切れる場合でも、その期限内に受け皿会社に売買することで、会社としての土地の原価が引きあがることで、将来売却してもその金額までならば課税を受けないで済むのです。

取得費加算の3年10ケ月の期限を実質的に半永久的に延長することができます。


不動産取得税等の経費はかかります。登記は義務ではありませんので、登録免許税については検討の余地があるでしょう。

将来の売却のときの課税


なお時価1000万円で法人に移したA土地が、第三者へ1500万円での売却となればこの差額だけに法人税が課税されますが、法人には昔のように短期重課制度はありません。

法人を受け皿にするのではなく親族等個人を受け皿にしても結構ですが、個人の場合には5年以内の短期譲渡について短期譲渡(重課)制度が残っています。

法人がいいか個人がいいかは個別事情もあるでしょうし、吟味が必要です。いずれにしても売買代金の授受等はしっかりしておかないといけません。

将来に売却せずとも不動産経営を法人化する際にも有効です。



相続税を払ってから3年間は譲渡税なしで土地売却のチャンス 2004年6月21日 第501号





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