広大地の相続税負担が軽減




相続税の土地評価の通達改正。広大地は相続税負担が軽減。



2004年7月12日 第504号

財産評価基本通達の改正



相続税での広大地の評価方法が変わりました。

ここでいう広大地とは「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法に条規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」です。

500uないし1000u以上の土地を開発するに際しては開発許可が必要です。敷地内に道路が必要になることもあり公園等の提供も求められれば、実際の有効宅地面積は減ってしまいます。

今回の改正前には次の式が用意されていました。

(その土地の面積−道路や公園等の面積)÷その土地の面積

つまり有効宅地面積の割合を算出するのです。前面路線価にこの割合を乗じることで有効面積について考慮しました。

専門的に言えばこの割合を奥行価格補正率の代わりに使い、さらに不整形補正その他の加減と補正を行います。最終的に3-4割の評価減となることが多いでしよう。

実務的には各市の宅地開発等指導要綱により、その土地を戸建住宅用に区画割し分譲すると想定して専門家に実際に図面を引いてもらい、必要な道路や公園の面積を求めるのが普通です

さてこの評価方法は理屈には合うのですが、なにしろ面倒。

開発しないにもかかわらず開発することを想定して図面を引くのです。やり方によっては評価額が大きくぶれます。

相続税の調査の現場では争いのタネにもなります。特に過去の相続税申告の見直しによる相続税の減額請求の多くはここがポイントでした。

広大地の評価方法の改正



この広大地の評価方法を改められました。多くの場合で評価額はこれまでより下がります。0.6−(0.05×その土地の面積÷1000u)

1000uならば0.55、2000uならば0.5、5000uならば0.35となります。そしてこの数値を路線価に乗じます。極めて簡単です。2000uならば前面路線価に0.5を乗じた金額に面積をかければ評価額になります。

図面を引く等の面倒もなく、これまでのような図面を引いての評価よりも評価額は大きく下がる専門家不要の評価方法です。

地主さんには朗報です。なお改正後の評価方法では他の加減や補正は行わなくなりました。


この広大地についての簡便な評価方法については5000uの以下の土地に限るとされています。5000uなら0.35となりますので65%引きです。これが最大評価減となります。

この評価方法が適用不可土地



面積は広くても開発に際して道路や公園等が不要な土地や、中高層集合住宅建築が最適とされる土地つまりマンション適地はこの「広大地」評価方法の適用対象外です。

すでに宅地として有効活用されている建築物敷地等はすでに開発が終了していますのでこれも対象外です。

今回の改正で広大地は評価が下がることが多いでしょう。そして鑑定評価による申告が有利になる事案は激減し、不動産鑑定評価書をよりどころに税務署と争う事案は確実に減ります。

それでも傾斜地崖地や不整形地等ではこの通達に頼らずに鑑定評価等に基づく申告が有利な事案がありますし、この通達適用範囲外の5000u超の土地は個別の検討が必要でしょう。


そして「中高層集合住宅の建築が最適とされる土地」つまりマンション適地とされればこの広大地の評価減は使えません。「最適とされる」なのか否かの判断が微妙なケースもあります。

都市近郊大地主さんを中心に相続税負担は減ります。

また過去の相続税申告書を見直しし再評価して税金還付を受けさせるビジネスがありますが、このビジネスには打撃です。

今回の通達改正は、平成16年1月1日以降の相続贈与に適用するとされています。



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