住宅ローン金利と不動産価格




住宅ローン金利引き上げで繰上返済と不動産価格はどうなる



2004年7月19日 第505号

住宅金融公庫の基準金利が2004年7月16日からに引き上げです。2.8%から3.0%になりました。3%代は6年ぶりです。

2004年7月のある銀行の住宅ローン金利は、変動2.375%、2年固定2.0%、10年固定3.7%、20年固定4.95%です。

この銀行の昨年7月での金利は変動2.375%、2年固定2.0%、10年固定3.0%、20年固定3.75%でした。短期金利は大きく変わらないものの、長期は大きく跳ね上がっています。


各銀行窓口では変動金利から固定金利への住宅ローン切り替えが急増しています。いまのうちに変動金利から長期固定に組替えなくてはいけません。

お宝住宅ローンと繰上返済



金利が急上昇すれば、長期固定の住宅ローンはお宝ローンと呼ばれることになるでしょう。

「お宝(たから)保険」という言い方があります。いまから10年ほど前に契約した終身保険や個人年金等の貯蓄部分の多い生命保険で、予定利率の高いものです。低金利下であっても、当初の高い金利運用が約束されていますから、お宝なのです。

高金利時代の長期固定低金利住宅ローンはお宝になります。

これまでは住宅ローンの繰上返済を勧める声が多かったようです。長期固定で低金利の住宅ローンであれば、これからはそう単純には考えられません。

預金等の運用金利が何%以上ならば繰上返済をせずに、定期預金運用したほうが有利になるのでしょうか。


前記の銀行住宅ローン10年固定の3.7%で考えてみましょう。

定期預金なら利子の20%が源泉徴収されます。預金金利が4.7%になれば手取り3.7%です。

預金金利が4.7%以上に上昇すれば、余資繰上返済より定期預金運用の方が有利です。ちなみに1990年頃は1年もの定期の金利は6%を超え、普通預金ですら2%を超えていました。一方でこの頃の住宅ローン金利は8%です。それでも借りた人がいたのです。

さて住宅ローンならば所得税のローン控除を使っているでしょう。マイホーム入居年により扱いは違いますが毎年末ローン残高の1%程が減税されます。

それを考慮すれば10年固定3.7%の住宅ローンの実負担は2.7%です。定期預金金利が3.4%に上がればその手取りは2.7%です。繰上返済は得か損か…一番悩ましいのは金利上昇前の現在でしょう。

マイホームのポートフォリオ



個人の資産運用という観点でマイホーム取得を考えれば、その資産運用は異常です。マイホーム購入とは、年収の何倍もの単一資産で運用するということです。そのほとんどを借入金のレバレッジでまかないます。リスク分散のないポートフォリオであり、無謀としかいえません。

だからバブル破綻後での価格下落とリストラとで多くのサラリーマンが簡単に破綻しました。


これからの金利上昇後に起こるのはローン金利上昇による返済不能や破綻の急増でしょう。

変動金利や短期固定金利での負担額は急増します。

不動産価格はどう動くのか



金利が上がれば不動産価格は値下がりするのが理屈です。収益還元価格が前提なら、賃料が変わらず期待利回りが倍になれば物件価格は半値に下がります。

住宅価格はどうでしょう。ローン金利が上昇すればサラリーマンの購買能力が下がります。

金利上昇期は景気回復局面でしょうから、家賃も給料も上昇し、利回りや金利の上昇分をある程度は埋めるでしょうが…。

キャンセル新築マンション



大規模新築マンションは分譲から引渡しまで2年もかかります。金利上昇が影響します。

住宅金融公庫ならローン申込時の金利で実行されます。しかし民間住宅ローンはローン実行時の金利です。年収800万円超だと公庫利用可能額は物件価格の半分までになっています。

金利急上昇ならローン実行でのキャンセル続出でしょう。


相借金自殺時代…ローン破綻で「死なないため」のアドバイス 1999年9月20日
資産インフレ時代の個人資産ポートフォリオ/メルマガ 2005年11月18日
長期金利急騰。ローン金利上昇なら不動産価格どうなる? 2003年7月7日


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