終身定期金で相続税を減らす方法




終身定期金を使った遺産分割協議で次の相続税を減らす方法



2004年7月26日 第506号

流行の変額年金相続税対策



変額年金により年額100万円で期間20年の確定年金を父が受け取ります。確定年金とは年金受取人が死亡したとしても相続人が期間満了までは年金を受け取ることができるものです。さて5年経過後に確定年金を受給中の父が亡くなりました。

年100万円で残存期間15年なら受け取り年金総額は1500万円です。しかし相続税法24条では年金受給権等の「定期金」の評価方法を定めています。残存期間15年ならば年金総額の50%で評価します。つまり1500万円×50%=750万円だけが相続税の課税対象になるのです。

この節税策では、年金支給開始後で早期に亡くなれば節税効果は最大です。しかし長生きして年金を最後まで受け取ってしまうと対策効果は消えるという親不孝相続税対策です。また相続開始時は遠い将来ですから、その時の相続税法がどう改正されているか分かりません。

変額年金ばかりでなく使える



さて年金受給権は変額年金等の生命保険ばかりでありません。

相続税法上での言葉は年金受給権でなく「定期金」です。上記のような確定年金(税法上では「有期定期金」)ばかりでなく、終身年金(同「終身定期金」)も定められています。

40歳の人が、自ら死ぬまで年金100万円を受け取る権利(終身定期金)の評価額は、年金年額の8倍と定められています。つまり800万円です。実際には70歳までの30年間受け取れば3000万円です。しかし評価額はわずか800万円なのです。

代償分割での終身定期金



父が亡くなりました。相続財産は現金4億円だけです。

「母は現金2億8000万円を相続するが、その代償として毎年1000万円づつを子が死ぬまで子に支払う。残りの現金1億2000万円は子が相続する。」という内容の遺産分割協議にしました。

母は現金2億8000万円を相続しますが、子に対し子が死ぬまで毎年1000万円の終身定期金支払義務を負います。子は毎年1000万円を受け取ります。

この終身定期金の相続税評価はいくらになるでしょうか。

子が40歳ならその評価額は8000万円(定期金額×8倍)です。

この終身定期金は子の相続税の課税対象となりますが、母親は支払義務を負うので相続財産からマイナスします。プラスマイナスゼロで相続財産全体としては何も変わりません。


母の相続税課税対象額は現金2億8000万円−8000万円(終身定期金支払義務)=2億円、子の相続税課税対象額は現金1億2000万円+8000万円(終身定期金の権利)=2億円。相続財産のうち半分を配偶者が相続すれば、配偶者控除で配偶者の税額はゼロです。このケースでは配偶者に相続税はかかりません。

母は子に毎年1000万円づつ支払います。遺産分割協議で定められたことであり、そのように相続税申告もしましたから。

さて28年後に母が亡くなりました。母の預金2億8000万円は子への年金支払いによってゼロへとなっているはずです。財産がなければ相続税はなしです。

父の相続のときに単純に現金4億円を母子で半分づつに分けていれば預金はそれぞれ2億円。そして母の預金が残っていれば相続税はかかったはずです。


実行にあたっては…



なんでこうなるのでしょうか。定期金の相続税評価がテキトウだからです。本来は平均余命等で行うべきを、おおざっぱに「8倍」などとしているからです。

分割協議書記載等には注意が必要です。例えば「母は子に1億円を支払うが10年間の分割にする」というのと「年1000万円で10年定期金」とは違います。

課税の扱いに一部異論もあるようですし、厳しい調査も予想されます。専門家に確認相談の上実行下さい。自己責任ですよ。

相続税法24条終身定期金評価…25歳以下:11倍/40歳以下:8倍/50歳以下:6倍/60歳以下:4倍/70歳以下:2倍/70歳超:1倍





cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割
相続税対策申告

このレポートと同じ年分リスト
2004年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif