信託業法改正と不動産関連業界




信託業法の改正…不動産関連業界からの信託会社の設立へ



2004年10月18日 第517号

信託は「Trust」。「信じて託し」ます。自らの財産の管理・運用・処分を受託者に託します。

これまでは信託業は信託銀行等の金融機関だけでした。他業種の算入は困難でした。

土地信託ができるのは信託銀行だけ。不動産なのに不動産業は算入できませんでした。

不動産証券化ビジネスでは、登録免許税や不動産取得税を安くするためだけの信託も多くあり、そのためにだけ信託銀行に報酬を払っていたこともありました。信託銀行にとり「おいしい」独占ビジネスでした。

信託業法が改正されて


信託については仕組みを定めた「信託法」と、業としての信託業を定めた「信託業法」とがあります。なお「業」でなければ信託は一般で可能です。

不動産の再開発事案で業ではない信託(民事信託)を不動産会社が活用したこともあります。

今回は「信託業法」改正です。改正のポイントは二つ。

まず知的財産権、建物賃借権(定期借家権等)等を含めどんな財産も信託の対象とすることができるようになります。

そして現在は金融機関のみが信託業を行っていますが、金融機関以外の株式会社(信託会社)による信託サービス提供を可能にするということです。

不動産を扱う新規の信託会社が、顧客の信頼を得えて、顧客の土地建物を、「信託」登記により、自らの名義に換えてしまい、その上で顧客のために土地建物を管理する、といったことが可能になります。


つまり賃貸管理業務やビルの一括借上を「信託」として行うことが可能になるのです。改正信託業法は信託会社の業務について信託ばかりでなく「財産の管理業務」もその業務の範囲として明記しています。

また投資家の資金を集めて、つまり信託受益券を販売して、その資金により不動産を信託財産として投資して、その結果の資金を投資家に配分することも可能になります。

これまでの匿名組合方式等による投資手法を「信託」を使ってできるようになります。

信託会社の条件は


ただし信託会社になることのハードルは低くはありません。

しかしこのハードルを越えて信託会社を準備できれば顧客の信用度は大きく変わります。

信託会社は二つに分かれます。何でもできる「信託会社」と、信託のうち管理型信託業だけを行う「管理型信託会社」です。

後者は、(1)委託者又は代理人の指図によってのみの財産の管理処分信託、(2)保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみの信託、を行えます。

前者は免許制で資本金1億円以上等の条件、後者については登録制です。後者も資本金制限等はありますが詳細は決まっていませんが、1億円よりは低いはずです。なお信託会社は他業務の兼業はできません。


財産運用を指図する「指図権者」の禁止事項等が定められ法制化されます。不動産ならアセットマネージャーでしょう。

信託会社が信託財産を買う


これまでの信託業においては、信託受託者が信託財産を買い取ることや、受託者がある信託財産を他の信託財産に売却すること、は禁止されていました。

しかし改正により、その旨の定めがあり信託財産に損害を与えない等の条件のうえで可能になります。相続の場合には信託会社がその不動産を引き取る、といった定めも可能になるかもしれません。

アメリカでは未来永劫信託するなんていう信託もあるようです。信託は顧客の財産を自分の名義にしてしまいます。最大の信頼関係となります。

改正信託業法はいつからか


改正信託業法は年内に国会通過見込みで、公布から6ケ月以内に施行、免許申請等に関しては公布3ケ月以内の施行です。

不動産関連業界から多くの信託会社が生まれそうです。



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