前払地代方式の定期借地




課税明確化で前払地代方式の定期借地の活用メリット増大。



2005年1月24日 第530号

定期借地権活用については、税務が大きなネックです。

税務の新たな取扱いが公表されました。国土交通省からの照会への国税庁としての1月7日付けの回答書です。国税庁のホームページに公開されています。

国交省は具体的な定期借地の契約書の一部を示し「この契約の場合はこの扱いでよいか?」と照会し、国税庁側は「それを前提とする限りは問題なし」というやりとりになっています。

権利金と保証金と前受地代


定期借地の契約時に授受する金銭の性格はこれまで二つでした。「権利金」か「保証金」か。

受け取った個人側の課税は、権利金なら受領時にその全額が不動産所得(例外として譲渡所得)として一括課税です。累進税率ですので重い税負担です。保証金ならそのような課税はありません。地主としては権利金にしたくとも税務上の都合で保証金にすることも多いようです。

支払った事業者側の課税は、権利金なら資産計上で、何十年か後の期間満了時にやっと一括して経費にできます。保証金ならばずっと資産計上です。

今回の回答により、三つ目のパターンが始まります。「前払地代」です。50年の定期借地について、契約書に権利金5000万円とあれば前述の課税です。

しかし年100万円の地代の50年分5000万円の前払と契約書にあれば、それは権利金とも保証金とも違う課税にできるのです。

受け取った側は、50年間に渡り毎年100万円づつを不動産所得の収入金額に計上します。一度の課税ではなく毎年少しずつの課税で済みます。

支払った側は、50年間毎年100万円づつ経費にできます。100万円を経費にすれば税率40%として、税減少によりキャシュフローは毎年40万円よくなります。権利金や保証金ではこのような経費化はできませんでした。使い勝手は格段によくなります。


そしてこれまでの権利金について、契約書の書き方次第で前払地代にできるとも言えます。

中途解約なら未経過地代の精算が必要ですが、別途に中途解約の違約金を定めればいいのです。前払地代と月払地代の組み合わせも問題ありません。地代の期間中の増減は月払地代部分で調整ができます。また借地期間全期間の前払でなく、一定期間の前払地代も可能です。

限界を意識して


今回は国交省が示した定期借地契約の内容についての扱いです。それが今回の限界です。

たとえば国交省は地代均等を前提にしています。50年間100万円の均等地代です。しかし50年後の地代を今払うなら割引を考えて当然です。しかし時期により異なる地代を設定すれば限界を超えます。安全のため限界を強く意識せざるをえません。

また相続税についての考え方は示されていません。

前払地代を5000万円預かれば地主には債務で、相続税の債務控除の対象です。しかし5000万円の債務とするか現在価値に割り引くのか。年1.5%の複利年金原価での現在価値は3500万円程です。受け取った5000万円をそのまま預金にしていれば課税額は差引で1500万円の増加です。

ただ定期借地にすれば土地評価は住宅地なら4割下がり、その組合わせで考えることになります。結論は今後の展開待ちです。

定期借地の需要と供給


定期借地への需要はあります。今回の扱いも後押しします。減損会計が適用される大企業は会計上のリスクを回避できます。キャシュフローが明確になるので投資の対象にもなります。

問題は供給サイドですが、今回の扱いで供給も増えます。

相続税5000万円あるいは借金5000万円が払えない…5000万円の前払地代で土地を貸しましょう。土地を売らずに済みますよ。

貸ビルの借金が払えない…そのビルに前払地代の定期借地権をつけて投資家に売りましょう。孫子の代に土地は戻りますよ。


土地の切り売りが減り、敷地の細分化は防止できます。


2005年度税制改正…定期借地権の一時金への課税が変わる 2004年12月27日 第526号




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