中間省略登記の禁止…不動産登記法




中間省略登記の禁止…不動産登記法改正で登録免許税増税



2005年5月2日 第543号

日本の不動産登記に公信力はありません。ドイツやイギリスのように公信力ある国ならば登記簿を信じることができますが、日本では信じられないのです。

登記簿に甲さん所有とあっても真実は乙さんかもしれません。日本では真実の乙さんが保護されます。登記簿を信じて甲さんにお金を払った買主はその土地を手に入れられません。

そして日本においては土地を買っても登記は強制されません。

しかしそれでも登記をします。それは登記するのが普通だし、土地を担保にローンを借りるには登記が必要だからでしょう。

そして登記をすると登録免許税。土地の所有権移転なら1%。1億円なら100万円です。税金がからんでくるのなら、余分な登記はしたくないものです。

中間省略登記とは


AさんがBさんに土地を売却し、BさんはすぐにCさんに転売しました。本来はA→B→Cと登記すべきです。しかし、実務はA→Cと登記するでしょう。

これを中間省略登記といいます。登録免許税を1回分払わないで済みます


役所への登記申請書類にウソを書いてはいけません。法務局に登記申請するにあたって「A→Cの売買がありました」と記載すればそれはウソです。バレれば登記は却下されます。

しかし従来の登記制度ではウソをつかずに中間省略登記ができました。

「A→Cの売買がありました」と記載することが不要でした。

「(登記)義務者」と「(登記)権利者」として登記申請すればよかったのです。所有権移転の原因を「売買」とは記載しますが、だれが「売主」「買主」かという記載は不要でした。

つまりそれは登記する義務がある人、登記を受ける権利がある人ということだけで、その両者間での売買をしたとかの説明はしないでよかったのです。


制度上建前上では登記所側も中間省略登記は不可としていましたが、申請書からは分からないので黙認だったのです。

なお中間省略登記でもBへの不動産取得税は従来も課税です。課税もれも多かったようですが。

改正された不動産登記法では


不動産登記法が改正され、3月7日に新制度が始まりました。

登記に際し「登記原因証明情報」という書面を求められます。

この書面には「売主Aと買主Bは、いつこんな売買契約をし、代金を全部支払い、所有権が移転した。以上相違ありません。」と記載してハンコをつきます。

この書面は登記所に保管されて、利害関係者は閲覧できます。

登記制度を利用する上では真実の究明ができ、いいことです。

しかし、真実はA→B→Cなのに、中間省略登記をしようとして、この書面に「売主A・買主C」と書けばウソです。AとCとの売買ではありませんから。

登記を行う司法書士はウソの協力はできません。ウソをつかないためには「A→Bの売買」「B→Cの売買」という2度の登記をし、それぞれ登録免許税を払わないといけません。


これが3月から始まった「中間省略登記」の実質禁止による、登録免許税の実質増税です。

この増税は不動産業界にとっては大きな負担となります。

従来の中間省略登記はウソだからダメとされた模様です。

これからはプロによる様々な試行錯誤がはじまるでしょう。

ウソをつかないために


ウソをつかないように。そのためにはABC三者で真実の合意をしてのAからCに権利移転が事実であれば、それはウソではなく、その事実を「登記原因証明情報」にできるとの意見…。

三者のデキ合い裁判で、A→Cの所有権移転を命じる判決を裁判官に書いてもらいます。判決ならば登記所はA→Cへの登記をしてくれるとの見解…。

先行き不明ですが、登録免許税を払わないための様々な工夫がなされ、登記所とのせめぎあいがなされ、うまくいけば今後の実務となっていくのでしょう。




その後…バードレポート2007年5月21日 第641号

「中間省略登記が直接移転売買と直接移転登記とで実質復活」

A→B→Cとの売買の度に所有権移転するからいけないとある専門家が気づきました。A→B→Cの順で売買しても、所有権はA→Cに直接移ると契約すればいいのです。Bに所有権が移らないのならBは登記したくてもできません。

この仕組みを、内閣府の規制改革民間開放推進会議が後押し、法務省に認めさせました。

A→Bの売買では、売買代金授受をしても所有権移転はせず、その替わりにAはBの指定する人に対し所有権移転すると約定します。物件の引渡をしてカギも渡しても、所有権移転はしないと定めるのです。

そしてB→Cの売買ではその売買対象物はB所有物でなくA所有物です。Bにとっては他人所有物の売買ですが代金授受をします。そしてBは、AからCに所有権を直接移転させ登記させる、とCに対して約定します。

A→B、B→Cの二つの売買契約が成立しても、所有権移転はA→Cの一回だけになります。

法務局への「登記原因証明情報」にその通り書いてもウソはなく登録免許税節税になります。

この所有権直接移転売買による直接移転登記で中間省略登記は実質的に復活します。



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