給与所得控除と退職所得と税制改正




給与所得控除は縮減?退職所得は見直し?不動産所得廃止?



2005年6月6日 第547号

長者番付のトップが給与所得者で推定所得は100億円。

所得と収入は違います。個人事業主なら収入(売上)から原価や経費を差引くと所得です。

給与所得の金額が100億円なら給与収入は約105億円のはずです。給与所得は給与収入から給与所得控除を差引いた金額です。給与収入が105億円のときの給与所得控除が約5億円です。

年収1000万円のサラリーマンだと、給与所得控除は220万円で月額18万円です。年収500万円なら154万円で月額13万円弱です。スーツを買うとか新聞を取るとかの経費があるにしても、普通ならこれ程の経費はかからないでしょう。給与所得控除はサラリーマンの必要経費という側面があります。そう考えればサラリーマン優遇税制です。


安い社宅入居のメリットは非課税ですし、多額の退職金をもらっても有利な退職金課税です。

給与所得控除の縮小


日本経済新聞2005.5.28.は「給与所得控除の縮小提言」と一面で報じました。ニュースソースは政府税制調査会の5月24日付の主要論点メモです。

「近年において雇用形態の多様化が進展し、また給与所得者において自らの市場価値を高めるべく様々な自己啓発努力が行われている中、雇用関係の有無だけをもって給与所得者と個人事業者を比較し、その置かれた立場の強弱を一律に論ずることは難しくなりつつあるのではないか。 給与所得も事業所得も、勤労を通じた経常的所得であるとの点では差異はなく、給与所得者であることを理由として所得の計算にあたって特別の斟酌を行うというよりもむしろ、給与所得者についても経費が適切に反映されるような柔軟な仕組みを構築していくことが望ましいのではないか。」とあります。

保険外務員は雇用関係があっても、個人事業者として扱われ、事業所得で確定申告をします。

最近のサラリーマンには成果主義等で実質的には個人事業者の給与所得者が増え、所得100億円サラリーマンも出現し、従来の税制で対応できないようです。多くのサラリーマンに対して、保険外務員のような課税をしなくてはいけないのでしょう。

給与所得控除は、中長期的には、削減され上限額頭打ちとされ、その代わり広く必要経費を認め確定申告可とする方向になりそうです。なお昭和48年の給与所得控除額は上限額頭打ち76万円でした。100億円サラリーマンも控除額は76万円でした。

退職所得の活用法


「近年においては、短期間の勤務について給与水準を抑制する一方で退職金を厚く支給したり、…… 退職金の支給実態が多様化している。」

退職金税制は外資系企業等で活用されています。高額な年俸契約の際にその半分は数年後の退職時に退職金として受け取る約束をします。その半分は給与でなく退職所得としての課税になり、2分の1課税で済みます。

退職金は退職所得として大いに優遇されています。多くのサラリーマンが期待する税制でもあり、廃止はないでしょうが、このような「活用」については税制改正の議論がされそうです。


不動産所得・一時所得の廃止


不動産所得は「事業所得、雑所得と区分して独立の所得分類として存置する必要性は乏しく、廃止すべきではないか」との論点が掲げられています。

もしそうなると、不動産賃貸業は一定規模なら事業所得、そうでなければ雑所得となります。

投資用マンション1戸だけなら雑所得とされるでしょう。なにが変わるのか…現状のまま雑所得になると、不動産経営で赤字がでても他の所得との損益通算が不可になります。一部の投資用マンション販売には打撃です。

一時所得は「雑所得と区分し独立した所得分類としておく必要はないのではないか」。

一時所得は2分の1課税。雑所得になれば税負担は倍です。

いずれも短期的でなく中長期的な改正項目でしょう。


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