相続税を意識した遺産分割協議




分筆か共有かで税額は変わる…相続税を意識した分割協議



2005年9月19日 第561号

相続税では、土地について相続人ごとに評価します。

前面路線価をどれにするか


400uの土地があります。この土地は表通り(路線価20万円)と裏通り(路線価10万円)の二つの通りに接しています。この土地の評価は400u×20万円=8000万円です。(奥行補正とか二方加算等はここでは無視します。)

この土地全体を兄が一人で相続したら、8000万円が相続税の課税対象です。

さて土地の真ん中で分筆し、遺産分割をします。表通り側200uの土地を兄が相続し、裏通り側200uの土地を弟が相続したらどうなるでしょうか。

兄が相続した表通り側の土地200uは200u×20万円=4000万円です。一方、弟が相続した土地200uは裏通りにしか接していません。適用する路線価は裏通りの10万円となり、評価額は200u×10万円=2000万円です。

二つの土地の分割後での評価額の合計は6000万円です。分割前の全体でなら8000万円であっても、分割したことで6000万円になってしまったのです。


…すると、表通り側沿い幅50センチの帯状に10uを分筆して、残り390uを裏通りにだけ接するようにする人がでてきます。残念ながらこれは「著しく不合理」として、分けて評価することは認められないでしょう…。

さて、土地を分筆し分割した兄弟は二人合わせて6000万円に対しての相続税を払いました。

何年かして兄弟に事情が生じ兄弟一緒に土地を売却します。

売却時の時価としては全体が表通りに接する価格つまり相続時の8000万円に相当する価格として売れるはずです。

当初から「売却してお金で二人で分けよう」と考える共有にするのが普通です。土地全体を兄弟それぞれ持分2分の1で相続します。この場合、一人当たり8000万円×持分1/2=4000万円、4000万円×2人で8000万円に対して相続税がかかったはずです。

しかし表と裏に分割したために合計6000万円に対する相続税で済んでしまい、それを8000万円に相当する価格で売却するという結末になったのです。

もちろん相続後に兄弟喧嘩で一緒に売れないというリスクがありますし、そうだから相続人ごとに分けて評価するというのが相続税の考え方なのでしょう。


広大地の共有と分割


2004年の通達改正で広大地の評価額は大きく下がりました。

本来の評価額1億円の1000uの土地が広大地であるとされれば、その55%の5500万円が課税対象となります。(細かい評価方法はここでは無視します。)

さてこの土地について兄弟で500uづつ分筆して遺産分割するとどうなるでしょうか。

この地域での500uでは広大地には該当しないとすれば、それぞれについて広大地としての評価減はできません。それぞれが本来の評価額1億円の50%で5000万円となります。二人あわせて1億円に対する相続税です。

では1000u全体について兄弟で持分各2分の1として相続したらどうでしょうか。これは広大地である1000uで評価額5500万円の土地を、持分各2分の1で相続したことになります。

だから兄は2750万円で弟も2750万円。合計で5500万円に対する相続税になります。

そして何年か後に兄弟に事情が生じ、共有物の分割をすることになり、分筆し分割したら…。

譲渡税について通達では、共有に係る土地を持分に応じて分割したときは、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う(所基通33-1の6)、と定めています。同じ価値になるように土地を二つに分筆して分ければ課税は生じません。

どちらの場合も結果的には500uの分筆された土地を、兄弟それぞれが取得しましたが、相続税は大きく違います。

相続税を意識した遺産分割は工夫のしがいがあります。


もちろん兄弟仲良しが前提となります。なお実行については自己責任でどうぞ。

広大地の相続税評価は大盤振る舞い…新しい相続税対策? 2004年8月16日 第509号




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