筆界特定制度




筆界特定制度…土地の境界争いを登記官が解決する新制度



2005年10月3日 第563号

土地の境界争いは絶えません。「土地の境界」には二つの意味があります。

まず「筆界」、登記上の一筆ごとの各土地の境界です。そして「所有権界」、登記にかかわりなく、どこからどこまでが私の所有権なのかという境界です。

隣地所有者との立会いによって境界確認をして、境界を確定します。所有権界なら所有権者それぞれが納得すれば、そこで決まります。

当事者の一方がそれまで境界だと思っていたラインから例えば30cm北のラインでお互い合意しても問題はありません。所有権界は民民の問題だからです。

しかしその所有権界が筆界とは限りません。筆界は民が自由に動かすことができません。

各筆は行政が地番をふって定めた各土地の境界てす。そして筆界は所有者が勝手に決めるものではなく各地番の筆として公的に決められたものだからです。

つまり筆界を30cm北に動かすといった勝手はできないのです。

所有権界を30cm動かしたのなら、その30cm分を分筆してから所有権移転登記をするのが正しいやり方なのです。

「相隣者間において境界を定めた事実があっても、…その一筆の土地の境界自体は変動しないものというべきである」

(昭和42年12月26日最高裁)


ただし、現状での法務局の地図(公図)にテキトウなものが多いため、実務もテキトウに流れてしまっています。

ちなみに法務局での最新の地図には現地復元性があります。土地の境界杭等が洪水等で流されてもこの地図を基準にして、現地の筆界を確定し元に戻せるような精度になっているのです。

所有権界の境界確定は民民の問題ですので境界確定訴訟等の裁判になじみます。

しかし筆界は行政が定めるものであり、民民の裁判には本来はなじまないもののようです。

しかし現行ではそれを裁判で解決します。裁判になれば時間も費用もかかります。そして売買も物納も再開発も遅れます。

筆界特定制度が始まる


2005年4月公布の改正不動産登記法で「筆界特定制度」が定められ、2006年春施行予定です。

全国の各法務局に「筆界特定登記官」という専門の役職が設けられます。

筆界でもめたなら裁判に持ち込まずとも、法務局のこの筆界特定登記官に筆界を特定するように申請することができます。

これは裁判のように争いでなく、手数料はかかるものの行政サービスの一貫として考えればいいようです。行政の力で筆界の問題を解決してもらうのです。

申請を受けた筆界特定登記官は土地家屋調査士や弁護士等の専門家を調査委員に任命して調査させ、また申請人や関係者の意見陳述をうけて、筆界を特定します。裁判に比べて安価で迅速な解決が図れます。

なおこの結果に納得できない当事者が境界(筆界)確認訴訟を起こすのは自由です。その際に裁判所は筆界特定手続きの記録等を参考にしますから、実際には筆界特定の結果は重視されるでしょう。訴訟での判決が確定すれば、筆界特定はその範囲で効力を失います。

境界問題相談センター


この筆界特定制度について一部で不十分といわれています。

それは筆界問題を解決するだけであり、所有権界問題を解決するものではないからです。


隣地間での境界問題はこの二つを解決しなくてはいけません。しかし行政としてはそこまでは踏み出せないのでしょう。

さて各地の土地家屋調査士会が弁護士会と協働して「境界問題相談センター」(地域で名称は違います)を立ち上げています。これは裁判外で紛争を解決する制度です。

このセンターに持ち込めば、裁判外で所有権界の問題についても、専門家委員をはさみ、現地調査も行い、当事者間の話し合いをすすめられ、早期解決を計ることができます。


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