同族社長の給与所得控除へ法人税課税




2006年度税制改正…同族社長の給与所得控除へ法人税課税  



2005年12月26日 第574号

個人事業の法人成り節税


Aさんは個人として商売を行っていました。個人事業ですから儲けには所得税が課税されます。その儲けは所得税の事業所得として1200万円になりました。

Aさんはa社を設立し商売を法人に移しました。法人ですからその儲けには所得税でなく法人税が課税されます。事業所得と法人税との所得計算方法はほぼ同じですから、従来の事業所得1200万円はそっくり法人税での所得となります。どちらであっても所得は1200万円なのです。

しかしa社設立後のAさんは会社から年間1200万円の役員報酬をとりました。役員報酬はa社の損金(経費)になります。法人税での所得は従来の所得1200万円から役員報酬1200万円を差し引いてゼロになります。

ではAさん個人の所得税はどうなるでしょうか。事業所得はなくなりましたが、役員報酬を得るので給与所得が生じます。Aさんは年収1200万円の給与所得者として申告します。

給与所得には「サラリーマンの必要経費」ともいわれる給与所得控除があります。1200万円の場合は230万円です。そのために年収1200万円でも給与所得は差し引き970万円になります。
 

商売をa法人に移したことによりAさんは何が変わったのでしょうか。a社を設立しても法人税はゼロ。しかし所得税での所得が1200万円から970万円へと230万円下がったのです。

所得控除その他を考慮し、230万円への所得税等税率を3割とおけば69万円の節税になります。

Aさんのa社設立による節税は、所得税でのAさんの所得が事業所得から給与所得に変わったことで、それにより給与所得控除額230万円が所得税等の課税対象から抜け落ちたことです。

実際には所得税青色申告特別控除や法人地方税均等割その他もあり、単純比較はできません。

節税効果を無にする法人増税


2006年4月以後開始する各法人の事業年度からは、会社の業務を主宰する役員の役員報酬のうち給与所得控除相当額を損金にできなくなります。

2006年度税制改正での中小企業向けの最大の増税です。

Aさん個人の所得税はそのままですが、a社の法人税の所得はゼロではなくなります。

役員報酬1200万円のうち給与所得控除相当額230万円が損金にならなくなり、法人税の所得はゼロから230万円に増加。法人税等の税率が3割だとすれば、法人税は69万円増加します。


つまり所得税での節税分を法人税で取り戻されるという増税改正です。なお給与所得控除は年収600万円なら174万円、1200万円で230万円、2400万円で290万円、3600万円で350万円です。

対象となる法人


この増税の対象となる会社は税制改正大綱の文言によると

「同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等が発行済株式の総数の90%以上の数の株式を有し、かつ、常務に従事する役員の過半数を占める場合」となっています。

ほとんどの中小企業が対象となると思われます。もちろん、そのほとんどは節税の意識もないはずです。しかし結果として増税になります。対策は株式の11%を他人に持ってもらうことにより対象から外れることです。

また次も場合も対象外です。数字は各直前3年平均値です。

○[会社所得+主宰者の役員報酬]が800万円以下、つまり儲けの総額が800万円以下の場合。

○[会社所得+主宰者役員報酬]が800万円超以下3000万円以下で、[会社所得+主催者役員報酬]のうちでの[主宰者役員報酬]が50%以下、つまり儲けが3000万円までであり役員報酬をその半分以下にしているとき。

不明点と法案の行方


給与所得控除相当額をどう定めるか、繰越欠損金はどう考えるか、主宰者役員をどう定義するか等不明点が多いのですが2-3月公表の法案で判明します。

税制改正大綱で決しましたから改正されることは確実です。

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