量的緩和解除と不動産価格




日銀の量的緩和解除で、不動産価格はどうなるのか?



2006年3月20日 第585号

量的緩和解除と資産価格


日銀が量的緩和を解除しました。日銀の「新たな金融運営の枠組みの導入について」と「金融市場調節の変更について」という二つの発表、そして福井日銀総裁の75分間に及ぶ「記者会見での回答録」があります。

これら長い文章の中で「不動産」「土地」「地価」「株式」「株価」という単語は一度も出てきません。(会見での記者からの質問には「株価」が一度あります。)不動産価格や株価を意識はするものの、物価と景気のための金融政策なのです。

ただ会見で「資産価格」という言葉が一回だけ使われています。…資産価格等を意識した金融政策をやっていなかったわけではなく、従来もある程度意識していたのだが、「それを今回明確にしたと理解して頂きたいと思う。」と語っています。

不動産価格や株価がバブルを起こすことで、景気や物価への悪影響を及ぼすことはさせないという、明確な意思表示です。

バブル期の三重野日銀総裁は,1990年4月の衆院予算委員会で「金融緩和が地価上昇を助長したことは否定できない。内需拡大のための金融緩和政策は正しいが、副作用として地価上昇の片棒を担いだ事実はある」 と語り、日銀の金融政策も地価上昇の原因となったことを公式に認めています。それがバブルつぶしの無茶苦茶な金融政策につながり日本は地獄に落ちました。

福井総裁が失策をしたくないと思うのは当然で、そのためには地価上昇という「副作用」は早めに消したいのでしょう。

金融政策は景気と物価のためのもの。資産価格は二の次。しかしながらバブルを起こさないように監視することを明確にした、といったところのようです。

監視することを明確にしたといっても、今がバブルだと語ったわけではありませんよ。


「今のうちに住宅を買う」


量的緩和解除を受けて、住宅販売の現場は大忙しのようです。金利先高感からあわてて不動産購入に向かう方が多いようです。

まず「金利が上がる→物価が上がる→不動産が上がる→今のうちに買う」という考えです。

物価の上昇と資産価格の上昇は一致しません。あのバブルの頃、資産価格が急騰しても消費者物価は静かでした。

そして収益還元の考え方が定着しましたから、不動産は金利が上昇すれば下落する性格のものになっています。金利が上がれば値下がりです。


確かに景気は良くなり都心部の家賃は値上がりしています。金利よりも家賃が上がれば不動産は値上がりします。また諸外国との比較では、金利と物件利回りの差(リスクプレミアム)が大きいようですから、海外からの更なる買いもあるでしょう。

しかし金利が上がっても家賃がそのままなら不動産価格は下がるというのが原則です。

次に「金利が上がる→住宅ローン金利も上がる→返済額が増える→今のうちに買う」という考えです。

確かに短期的にはその通りです。3000万円2%30年ローンの年返済額133万円なら買えても、4%になり171万円になれば買えなくなってしまう人は多いでしょう。同じ買うのなら金利が低い方がいいのが当然です。

しかし金利4%が定着すれば3000万円ローンは多くの人にとって買えない物件になり、物件価格は多くの人に買える金額にまで下がるのではないでしょう。

投資不動産が「収益還元価格」なら、住宅は「ローン返済可能額還元価格」です。


不動産はサイクルビジネス


アメリカでの不動産ビジネスは「サイクルビジネス」と呼ばれます。不動産価格が、上がって、頂点で転換し、下がって、底値まで落ち、また上がる、とサイクルを描く前提だからです。安いときに買い高いときに売り抜けます。日本においても米国流のサイクルビジネスになったのだとすれば、いつか下落のサイクルを迎えることになります。



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