公正証書遺言は検認不要




一人暮らし資産家への心配・公正証書遺言は検認不要



2006年3月27日 第586号

「慶応大学の医師が死亡患者の遺産数億円を手に」という話題を、ワイドショーや週刊誌が取り上げています。

亡くなった68才の女性は父親が創業した広告会社を経営し、いくつかの不動産を所有しています。夫も子供もなく兄弟もいません。数年前に脳梗塞で倒れ慶応大学病院で亡くなりました。

公正書遺言が残されており、広告会社株式や不動産ばかりでなく、先祖の墓や祭祀も48歳の主治医に渡すという内容でした。

これを故人の従兄弟(いとこ)が慶応大学病院宛に告発したことでマスコミが取り上げました。

医師の父親が広告会社の社長になっていたとか、位牌や仏壇が放置されているとか、様々な様子をマスコミは伝えています。

法定相続人がいなければ


配偶者も子も親も兄弟もいなければ相続人はいません。遺言がなければ、本人の面倒をみた人等に対し特別縁故者として裁判所が財産を分け与えることもありますが、それがなければ遺産は国庫に帰属します。

今回の告発者は故人の従兄弟ですが、従兄弟は相続人でなく「他人」です。権利はありません。告発状には「私は財産やお金を欲しいからと行動している者ではありません。…遺産が(医師から)慶応大学病院に寄付され、…教育のお役に立つのであれば…」とあります。

遺言で遺産の使途を決める


身寄りのない資産家の財産問題は大きな問題です。

「このまま私が死ぬと遺産は国のものになるのか」と思えば遺言書を作成するのは当然です。

国庫に入れば遺産は一般財源として公共工事に消えかねませんが、遺言ならば使途を自分で決められます。赤十字やユニセフを受取人にすればそこに使ってもらえます。
医師個人ではなく慶応大学病院が受取人になっていれば、マスコミに騒がれることはなかったでしょう。

このような場合に受取人に指名されることが多いのは宗教法人です。宗教に帰依するのと同時に、永代供養してもらえることもあります。もちろん、生前にお世話になった人にいくらかずつを配分することも、遺言書において自由にできます。

一人暮らしの資産家への心配


一人暮らしの資産家周辺は危険です。様々な事件があります。

今回のように関係者が誰も知らない遺言書ばかりではありません。亡くなってから戸籍を見たら、知らない人が養子や配偶者になっていた…。その知らない人が突然お葬式にやってきて、挨拶された…争いの始まりです。


養子や婚姻の届出は印鑑証明も不要で簡単です。ましてや、その届出が本人自筆のサインと証明されれば事態は深刻です。

子として心配なら定期的な親の戸籍や登記のチェックですが、遺言書の存否確認は困難です。

公正証書遺言は検認不要


今回は故人自らが自筆で書く自筆証書遺言でなく、公証人による公正証書遺言です。

遺言執行人が財産の整理をすすめ登記手続きを行います。従兄弟は「他人」なので、遺言の全体すら見せてもらえません。

自筆証書遺言と公正証書遺言の違いに「検認」の手続きがあります。自筆証書遺言の場合には家庭裁判所で相続人全員がそろって遺言書の封を開くのが決まりです。これが「検認」です。そのために家庭裁判所は相続人全員に呼び出し通知を出します。

例えば子供がいない夫婦での「全財産を妻へ」と妻へのおもいやりある遺言書。それが自筆証書遺言であれば、疎遠な関係の夫の兄弟を検認のために裁判所がわざわざ呼び出して遺言を見せることにもなります。また音信不通の前妻の子までも裁判所が探し出して通知します。

余分な心情的争いや遺留分減殺請求といった問題が生じることになり、妻の心労が増します。

それが公正証書遺言なら検認は不要。誰にも知らせずに、相続登記や名義変更ができます。


週刊文春2006.3.30.と週刊新潮2006.3.30.を参考にしました。



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