カネボウ再生に学ぶ




カネボウ再生に学ぶ…少数株主を押さえ込むための手法



2006年4月24日 第590号

カネボウ株は05年6月に360円で上場廃止になりました。産業再生機構はカネボウに増資し株式を取得し支援を開始しました。

06年1月31日に再生機構はこのカネボウ株式を花王と投資ファンド3社連合軍に譲渡します。譲渡価格は守秘義務だとかで公表されません。ファンドはカネボウ株式の7割を支配しました。

花王が欲しいのは化粧品事業とカネボウの商標だけです。

2月16日にカネボウの臨時株主総会でファンドが新経営陣を送り込みます。この経営陣は即座にカネボウ化粧品と商標とを花王に譲渡します。この譲渡価格も公表されません。

一般株主を締め出すために


カネボウに残ったのは日用品・食品・薬品の3事業。ファンドは3事業を再上場等させることでの利益を目指します。

ファンドは7割の株を有していますが、このままなら上場益の3割は残る一般株主に流れます。一般株主を締め出します。

■中小企業もこれに学べます。

社長の兄にとり、先代創業者が相続税対策として親族に分散させた株式が頭痛の種。嫁にでた妹は「株を買い取れ配当しろ」さて少数株主を締め出すには…。


まずは株式公開買い付け


2月21日、ファンドは一般株主に向けTOB(株式公開買い付け)を行います。「皆さんの株式を1株162円で買い取ります」と全株主に通知。上場廃止時は360円だし、わずか1ケ月前の再生機構からの買取金額は380円近辺と報道されます。半値以下。

通知には「応じなければ後はどうなっても知らないよ」との脅迫まであります。「どうせ一般株主は反対できまい」とファンドは思っていたのでしょう。

「事業売却したから会社価値が下がった」とファンド側。それに対し「もしそうなら安売りしたからで、それはアンタラの責任でしょ」と一般株主側。

TOBに応じた株主数は10万人のうちわずか1割、株式数でも5000万株のうち4割。株主は「馬鹿にスンナ」と応じません。

■嫁にでた妹に対し「額面でなら買い取る」とチャンスを与えます。「何でそんなに安いの?」には「イヤならいいよ」。

営業譲渡で抜け殻会社に


ファンドは別会社を設立し、5月1日にカネボウの3事業をここに430億円で営業譲渡します。この別会社で上場させ上場益を自由にわが手にする目論見です。

カネボウの長期借入金は過去500億円でした。もし500億円が債務として残り、資産は譲渡対価430億円だけならば、会社を放置し清算させて終わりです。

会社の価値はゼロとなり、一般株主の株式はカミクズ。ファンド側株式も同じですが、3事業の上場益で何倍も回収します。

カネボウ現経営陣はファンドと一体です。カネボウの利益のための営業譲渡かファンドのための営業譲渡か。利益相反行為と立証されなければ何でもアリ。

430億円は超バーゲン価格でしょう。しかも何で430億円なのかの説明すらもありません。

■妹がうるさく責立てます。

別会社をつくり、そこへ営業譲渡しましょう。税務上で問題とならない範囲での最安価格で。

残った会社は抜け殻、妹の自由にさせましょう。


3%で帳簿閲覧請求権


一般株主でも議決権の3%が集まれば会計帳簿閲覧請求ができます。「カネボウ個人株主の権利を守る会」が結成され議決権の3%(500万株)を確保しそうです。情報開示を求めます。

「できる限り情報不開示」がファンドの方針でしたが、帳簿閲覧により花王や再生機構との譲渡価格等が開示されます。

■怒った妹は他の親族をひきつれ3%を集めて「帳簿を見せろ」といってきます。裁判所は「妹に見せろ。見せるまで1日何万円払え」と命じるはず。

「家族旅行の費用が会社の経費になっている」ことが露見すれば兄は何も言えなくなります。

見せたくなければ、兄は1日何万円をずっと支払い続けることで不開示を続けられます。


相続で分散した同族株式を力ずくで高く買い取らす方法 2002年8月5日 第410号


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