容積率100%で広大地評価




容積率100%であっても広大地評価となるとは限らない



2006年5月8日 第592号

広大地に該当なら相続税減


広い土地を有する地主さんについて、相続税額が多い少ないを決するポイントに税務上の「広大地」に該当するか否かがあります。面積が3000uで「広大地」とされれば、その相続税評価は55%引きになります。つまり1億円の土地が4500万円の評価で済んでしまいます。

2004年6月の、相続税の評価通達の改正で、大幅緩和されたところです。ただ広ければ広大地になるというのではありません。

「広大地」として認めさせるか否かが、税理士の腕のふるいどころになります。

さて、坪10万円の戸建住宅地が立ち並ぶ地域に3000uの土地があればその土地をいくらと見るかが「広大地」評価です。

近隣が坪10万円でもこの3000uの土地を坪10万円で買うわけにはいけません。開発にともない開発道路等が必要であり、「つぶれ地」が生じます。開発後の完成宅地が坪10万円なのだから、その原料である広大な土地は55%引きの4万5000円としよう…これが広大地評価の考え方です。つぶれ地や開発費を控除する考え方に基づいているのです。

そのため広い土地であっても、既に開発済みのマンションやビルの敷地や、つぶれ地不要で開発できる土地は広大地に該当しないと、通達は定めています。

戸建とマンションの混在地域


問題は戸建住宅とマンションとが混在する住宅地です。

戸建用地とすればつぶれ地が生じ広大地となります。しかしマンション適地であれば、つぶれ地は生じないからということで広大地に該当しなくなります。

その判断基準は微妙です。広大地に該当するか否かで相続税は大きく違います。


国税庁は目安を公表


微妙な問題を放置すると税務署と納税者とでトラブルが生じます。そこで国税庁は2005年6月17日付の「広大地の判定に当たり留意すべき事項(情報)」を一般に公開しました。

ここでは、「マンション適地の判定」として次のような説明をしています。

「戸建住宅とマンション等が混在する地域(主に容積率200%の地域)は、最有効使用の判定が困難な場合もあることから、このような場合には周囲の状況や専門家の意見から判断して、明らかにマンション等の敷地に適していると認められる土地を除き、広大地に該当する。

一方、容積率が300%以上の地域内にあり、かつ、開発許可面積基準以上の土地は、戸建住宅の敷地用地として利用するよりもマンション等の敷地として利用する方が最有効使用と判定される場合が多いことから、原則として、広大地に該当しないこととなる。」

単純に読めば、容積率300%は原則ダメで、200%なら要注意、100%ならOKの可能性大、といったところでしょう。

容積率100%でも該当せず


速報税理2006.4.11号に、容積率100%での広大地否認との記事があります。

「問題の土地は、副都心にほど近く、戸建住宅とマンションとが混在する地域にあった。地積は約3,000u、容積率は100%。周辺の標準的な宅地に比べても文字通り広大な宅地である。この土地を相続した納税者は広大地評価を行って申告したが、課税当局はマンション適地に当たるとして更正(課税処分)したため、審査請求におよんだ。」

そして国税不服審判所は2005年12月15日に請求棄却します。


棄却の理由は、その地域ではみなマンション敷地として開発されるし、マンション業者もマンションのほうが採算が取れると言っているから…というものです。容積率は関係ナシです。

国税庁は「主に容積率200%の地域」との目安を情報として公表しましたが、否認をしました。「必ずではなく『主に』なのだから…」というのでしょう。

相続税を考えるにあたっては、広大地評価となるか否かに十分に注意しないといけません。

広大地に該当すれば相続税減…住宅街のファミレス敷地は? 2005年7月25日 第554号




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