転居後自宅の居住用3000万円控除




元マイホームでも居住用3000万円控除・取り壊したらダメ



2006年6月26日 第598号

マイホーム売却時の譲渡税には特例があります。3000万円特別控除です。譲渡益が3000万円までならば譲渡税は課税されません。更に一定のマイホームなら低税率特例や買換特例もあります。

居住用財産の譲渡とは


「マイホームとは」について税法は「居住用財産」として定義します。3000万円特別控除適用のための「居住用財産の譲渡」とは次のように定義されています。(租税特別措置法35条)

(1)個人がその居住の用に供している家屋の譲渡、又は

(2)@その家屋とともにするその敷地、A災害により滅失したその家屋の敷地、B居住の用に供されなくなった家屋とその敷地、の譲渡で

(3)これら家屋が居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にした場合


3年経過の元マイホームは


注目すべきは前記 (2)Bです。「居住の用に供されなくなった家屋」…つまりマイホームではなく、元マイホームも税務上での居住用財産なのです。そして(3)において住まなくなってから3年目の年末までに売却すればよいと定めています。

言い換えれば、引っ越してから3年後の年末までに売却(引渡でなく契約で可)ならば3000万円特別控除が適用できるのです。

そして「居住の用に供されなくなった家屋」であればよく、転居後の用途制限はありません。

空き家でもいいし、賃貸にしていてもいいのです。転居後2年間他人に賃貸し家賃を受取っている状態で売却していれば、それは現状マイホームではありませんが、税務では元マイホームとして「居住用財産」であり、3000万円特別控除が使えます。


これを不動産会社の視線で考えてみましょう。

「遠方への転勤となったのでマイホームを賃貸したい」との所有者の希望で転勤後のマイホームに賃借人をつけました。それから2年経過してこの賃借人が退去します。所有者に連絡して今後について判断を仰ぎます。

「新しい賃借人を探しましょうか、それとも売却しましょうか。今ならば居住用財産として3000万円特別控除が使えるので譲渡税ゼロで売却できますよ。」

「居住用?」と所有者は驚くことでしょう。新賃借人を募集し賃貸し更に2年経過すれば期間経過で居住用財産でなくなり特別控除は使えなくなります。

売るか否かは分かりませんが、所有者にとってはメリットが大きい有意義なアドバイスです。

居住用財産とは家屋のこと


さて居住用財産とは「マイホームの家屋」のことを指します。「マイホームの敷地」は前記(2)@にあるように、その家屋とともに売却する場合に限って居住用財産として特例が使えるに過ぎないのです。

さてどういうことでしょうか。

引っ越しに際し、「空き家にすると火事等で無用心だから」と、家屋を取り壊して更地にし、その後に敷地だけを売却した場合はダメということです。


それは敷地だけの売却であり、家屋とともに売却することではありませんから。建物取り壊し後の敷地だけの売却では居住用財産の売却としての特例は使えません。現実において価値があるのは家屋ではなく敷地なのが普通ですが、それにもかかわらずです。(なお前記(2)Aのように火事等の災害で家屋が消失した場合はOKです。)

しかし、売却を容易にするため古い家屋を取り壊し更地にしてから売却との手法もあります。

法律上ではダメなのですが、この売却手法のために、国税庁は通達で例外を定めています。

取り壊し後1年以内の売買契約締結であり、かつ、取り壊し後の敷地を貸付等していないことを条件に特例適用を認めます。

逆に言えば、取り壊しから1年経過でアウト、月極め駐車場として貸したらアウトです。

売却の可能性がある元マイホームの取り壊しは要注意です。



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