居住用特例は所有者として居住




居住用特例は所有者として居住…実家売却は分割協議に注意



2006年7月10日 第600号

居住用財産の売却ならば3000万円控除等の特例が使えます。

居住用の用に供している家屋とその敷地は居住用財産です。

では生まれ育った実家の土地建物はどうでしょうか。


実家は居住用財産なのか


Aさんは生まれ育った実家で両親と暮らしていましたが昭和50年に転勤により転居します。

昭和54年に父が亡くなり、そこには母一人が住み続けます。

そして平成7年11月にこの実家を5200万円で売却します。

それに先立つ平成7年8月にこの実家の土地建物についてAさんへの相続登記がされています。

売却直前になり父所有だった土地建物をAさんが相続するとの分割協議を行ったのでしょう。

さてAさんにとっては生まれ育った家屋です。父が亡くなってからはAさんが生活費を送金し続けた母が住み続けた家屋です。その家屋と敷地の売却です。

Aさんは居住用財産として特例適用して所得税額120万円として確定申告しました。

税務署は居住用ではないとし、所得税額を1080万円とする課税処分をします。他に加算税・延滞税・住民税もあるでしょう。

争いは国税不服審判所に持ち込まれます。平成10年12月22日審判所は居住用財産とは認めないという裁決を行いました。

生計を一にする親族が住むが


生計を一にする家族が住んでいればその家屋を居住用とみなす通達があります。

しかしそれは所有者本人が所有者として居住していたことを前提として、その後に両親や家族が残された場合のことを意味していると判じます。

この場合ではAさんは昔住んでいたことは事実ですが、それは建物が父所有の時代でした。

昭和54年の父の相続で、建物はAさん所有になりますが、以降は住んだ実績がありません。所有者として居住していません。

だから家族の母が住み続けたとしても、土地建物を居住用と認める余地はないのです。


居住用の特例を使うために


このケースでは遺産分割協議において工夫さえすれば居住用の特例が使えました。

Aさんが土地建物を相続したからダメになったのです。

実際に住み続けたのは母です。だから母が土地建物を相続し、母が売却すれば間違いなく居住用の特例が使えました。

もしも子にお金が必要なのならば「土地建物は母が相続する。その代わりに母は子に幾ら支払う」という内容の遺産分割協議書にすればよかったのです。

子に支払う金額は自宅売却についての税引き後の手取り金額にすればいいのです。


こうすることでAさんに売却代金を移しながらも居住用の特例を使えたのです。

住宅の所有者が亡くなり、その後にその土地建物を売却する可能性があるなら、誰が相続するのかは要注意です。

売却に際して3000万円控除等の特例が使えるように相続させることを考えないといけません。

所有者として居住すること


所有者が、転勤等で家族と離れ単身帰任が続いても、転勤等が終われば家に戻るつもりなら、所有者が住んでいなくともその家屋は居住用とされます。また通学等のために子供だけ残したり、両親だけ残した場合でも、その子や親とが生計を一であればその家屋もずっと居住用です。(他に若干の要件があります)

ただし所有者が居住した後に単身帰任等になった場合に認められるのであり、所有者として居住実績がなくてはいけません。

逆に言えば、単身帰任中の夫が、残り家族に居住させる目的で家を買った場合に、残り家族だけが何年住み続けてもそれは居住用財産とはなりません。


なお、居住期間が短期間であっても、入居目的がずっと住むためであれば、それは居住用財産です。ずっと住むつもりで入居したけれど、1ケ月後に偶然に転勤になってしまった、といったケースです。仮住まいや一時的な目的での入居はダメです。


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