退職所得への課税強化?




退職所得への課税強化?…12月退職なら有利な退職金?



2006年10月2日 第611号

税制の大きな流れは消費税増税へ向けての環境整備です。

消費税は一般への一律課税です。一般大衆の多くを占めるサラリーマンが「税金で得をしている奴」の存在を知れば「消費税の前にやることはあるだろう」と思うのは当然です。


ネットで給料以上に儲けながら税金も払わない奴がいる……2005年11月の政府税調総会は、ネット無店舗ビジネスで無申告のケースが多いとの理由で、2006年に無申告加算税を15%から20%に引き上げました。

実態は個人事業なのに法人化して節税する奴がいる……法人所得を役員報酬に振り替えての節税です。だからと、一定の役員報酬は一部を損金にしない、と2006年に改正されました。

2007年注目は退職金です


退職所得は終身雇用時代のなごりです。退職金は何十年もの労働の対価なので多額の特別控除をし、その控除後の2分の1だけに対して税率を乗じます。極めて有利な税制となっています。

この有利な税制を最大限に活用するのは外資系金融機関の高給サラリーマンです。

年収1億円として、半分は毎月の給料として受取り、半分は退職するまで会社に預かってもらいます。何年か後の退職時に退職金名目で返してもらいます。

こうすると有利な退職金税制が使えるからです。給料で受取ればそのまま課税です。しかし短期間の勤務でも退職金名目で受取れば2分の1だけが課税、つまり税金は半分で済みます。


退職所得は終身雇用のサラリーマンを想定した税制だったのでしょう。雇用は変わり、転職は当然になり、退職金の重みは減りました。また多くの中小企業の退職金はわずかです。せっかく有利な退職金税制があっても退職金がなければ使えません。

大企業や外資系等の一部のエリートサラリーマンだけが使える優遇税制になりつつあります。

政府税調は退職所得について


2005年6月に政府税調は退職所得について、すでに次のように論点整理を済ませています。

「退職所得控除は勤続年数20年を境に1年当たりの控除額が急増する仕組みとなっており、また、勤務年数が短期間でも所得の2分の1に課税されるなど、現行制度には必ずしも合理的とは言えない面がある。

特に、短期間勤務に対しても2分の1課税が適用されるという点に関しては、給与を低く抑え、高額の退職金を支払うといった操作を行うことで、事実上租税回避に使われている側面があることに留意すべきである。」


政府税調は退職所得の見直しをしたいと言っているのです。

そして自民党税調を説得し、12月の2007年度税制改正に織り込もうとします。

自民党税調は悩むはずです。

無申告加算税強化や役員報酬課税強化には、多数を占めるサラリーマンが反対するはずもありませんでした。しかし退職金への課税となれば「苦しいサラリーマンのわずかな退職金への増税をするのか」と言われます。

以下は、2005年5月の政府税調の石会長の記者会見です。

「(退職金は)人々が長い間積み重ねてきた、言うなれば労苦に報いるという点でもありますから、そう簡単に一挙にはいかないでしょう。……退職金というのはそもそも、ある年限以上勤めなければ、そもそもが退職金の適用を受ける資格がないとなれば、5年とか6年とか短いあたりで退職金の一番いいところ、おいしいところだけを取ってしまうというのはおかしい。」

2007年度税制改正で退職所得について何らかの規制がされるとのウワサが広がっています。

外資の高給サラリーマンや一部経営者の退職金への税金は倍になってもおかしくありません。

12月中旬の税制改正次第ですが、必要に応じ、年内退職と退職給与支給を想定しましょう。

税試算・損益資金計画・株主総会・退職金目的節税保険の解約・源泉税、等の一連の流れを想定しておかないといけません。



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