譲渡の引渡基準と契約基準




売買契約は年内、引渡は来年に。税務メリットいいとこ取り。



2006年11月6日 第615号

買換特例適用のためには


2006年末期限の特例に事業用買換特例(個人15号・法人16号)、居住用買換特例(相続取得要件でないもの)、居住用買換での損益通算繰越控除があります。

これらを確実に使うには2006年末までの譲渡が必要ですが、これは契約まで済ませればいいということです。引渡までも終わらせる必要はありません。

「年内にさっぱり」はしない


特例適用がなくとも、季節的には「年内にさっぱりしましょう」の声があがります。しかし税務を考えるのなら、売主としては、引渡は来年にしましょう。

税務上でいつが譲渡日かは「契約日」か「引渡日」のいずれかから納税者が選択できます。

今年契約で来年引渡なら、今年の譲渡とするか、来年とするかを選べるのです。

なお今年の譲渡とするのなら来年3月15日までの申告納税です。引渡が3月16日以降であり決済未了であってでも、です。

なお残金決済が未了でも、移転登記をしたり、代金の過半を受取ると引渡とされることがあります。それは引渡は実質完了で、明け渡しを猶予しているだけと考えられるからです。

来年引渡にするメリット


「年内契約・年内引渡」を「年内契約・来年引渡」にするとどんなメリットがあるでしょうか。

(1)申告納税が1年間伸びます。

「年内契約・年内引渡」なら来年3月15日の申告納税が確定ですが、「年内契約・来年引渡」で来年の譲渡とするのなら再来年の3月15日の納税申告です。

税金相当分を1年間運用できます。できれば安全運用で…。

(2)買換期限が1年間伸びます。

ここでは今年でも来年でも買換特例が使えるとしましょう。

「年内契約・年内引渡」なら今年の譲渡となり買換資産の取得期限は来年末に確定です。

しかし「年内契約・来年引渡」で来年の譲渡として申告するのなら買換資産の取得期限は再来年末になります。

買換資産が既に決まっていればともかく、これから探すのであればこの1年間の差は大です。

特に土地を買ってから建物新築するのなら要注意です。工事が遅れるだけで、買換の期限に間に合わなくなってしまいます。

(3)税制改正での増減税に対応。

買換特例が廃止になれば今年の譲渡として申告すればいいし、延長になれば来年の譲渡として申告すればいいのです。

また幸運にも来年から大減税となったのなら、来年の譲渡として申告することで大減税の恩恵を受けることができます。

(4)税務対策期間確保のために。

個人では不動産の譲渡損益は他所得との損益通算不可が原則です。そのために多額の譲渡損が残っても切り捨てになってしまいます。

しかし他の不動産の売却益との通算は可能です。含み益ある不動産があればそれと組み合わせることで税務対策が可能です。

また逆に多額の売却益が生じて、他に含み損の不動産がある場合も同じです。

含み損益を同族間売買等で実現させて、税金をゼロにすることが可能かもしれません。

来年の譲渡とするのならば、時間的余裕をもって、これらの税務対策が可能になります。

消費税についても今年来年を選択できます。

法人ならウルトラCあり

 

個人はこのように暦年で考えます。しかし法人は暦年でなく事業年度を区切りに考えます。

そのために法人にはウルトラCがあります。それは事業年度そのものを変えてしまうことです。

12月決算法人が、12月の取引で多額の利益が生じてしまうと、すぐに(原則として決算から2ケ月)で申告納税になります。

そこでこの法人の決算期を変更してしまいます。11月決算に変更し、まず11ケ月の変則決算をして申告をします。

すると12月開始の翌期初月に利益実現となります。申告納税は11ケ月先に延び、ゆっくりと対策をすることができます。



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