留保金課税廃止の税制改正




2007年度税制改正(2)…中小企業増税緩和と留保金課税廃止



2006年12月25日 第622号

社長給与の一部は損金不可

2006年度税制改正で中小企業への大増税がなされました。

同族会社の主宰役員(通常なら社長)の役員給与についての給与所得控除相当額が法人税の損金にならなくなりました。

給与所得控除とは給与所得者の必要経費とも呼ばれている部分で、年収1200万円の給与ならば控除額は230万円になります。

社長が1200万円の役員給与を会社から取ると、以前なら、会社としては1200万円全額が損金でしたが、2006年4月以降開始の事業年度からは970万円(=1200万円−230万円)しか損金にならなくなっています。

何も変わらないのに損金が230万円減り、何も変わらないのに法人税での課税所得が230万円増加したのです。

法人税等の税率が40%とすれば92万円の増税になったのです。

年収600万円なら控除は174万円、税率40%(以下同じ)で増税額は70万円。

1200万円なら控除230万円で増税92万円。

年収1800万円なら控除260万円で増税104万円。

年収2400万円なら控除290万円で増税116万円です。

多くの中小企業では100万円程の増税となったのです。

また法人税は払っても経費にはならない支出です。

つまり税引き後の支出です。

税引前での損金化できる普通の経費で考えるとその倍近い金額の負担に匹敵するのです。

2005年12月の税制改正大綱で突然表面化した大増税でした。

「ひどい」「とんでもない」「廃止しろ」との声が各界から上がりましたがあとの祭り。

すでに2006年4月以降開始する事業年度から適用されています。

この増税には、いくつか例外規定があり、その一つが、儲けが少ない会社での不適用です。

前事業年度までの3年平均での[会社の儲け(所得)+社長の儲け(役員給与)]が800万円以下の場合には適用されません。

会社を個人企業として見れば、[会社の儲け+社長の儲け]がその事業の儲けであり、それが800万円以下なら可哀想だから増税しない、ということです。

2007年改正で1600万円へ緩和

「余りにひどい」ということかわずか1年後の2007年度税制改正大綱で制度緩和となります。

「800万円以下なら可哀想」が「1600万円以下」になります。

しかしこの制度緩和と引き換えに廃止への希望は消え、制度永続となったとも言えます。

1600万円に緩和されるのは2007年4月以後開始の事業年度からで、残念ながら06年4月から07年3月に開始の事業年度は、[会社の儲け+社長の儲け]が800万円以下の条件のままです。

3年平均で社長給与1200万円会社所得400万円、合計1600万円ならこの課税はなくなります。

法人税留保金課税の適用除外

増税継続の見返りなのか、資本金1億円以下の同族会社での留保金課税が適用除外されます。

昭和61年頃は個人の最高税率は所得税70%住民税18%。

合計88%の超高税率でした(現在は合計50%)。

社長は考えます。

「役員報酬を取っても会社から配当金を取っても、税金ばかり。

それならば役員報酬や配当を減らし会社に利益を残して、会社で税金(当時の法人の実効税率は50%代)を払おう」それに対し国側は、配当もせずに会社に利益を溜め込む会社、つまり過度に留保する会社には、割増しの法人税課税をしました。

それが留保金課税です。

そんな税制が今も残っていました。

多額の土地売却へは減税も

普段なら利益はそこそこで留保金課税とは無縁な会社でも、多額の不動産売却益が生じると留保金課税が心配になります。

最高40%強のはずの税率が、同族会社なら留保金課税により50%近くにまでなりました。

06年度改正でも留保金課税は軽減され、07年度改正で資本金1億円以下ならついに適用除外です。

黒字法人による多額の土地売却益については、ケースにもよりますが法人税等が税率換算で数%下がることもあるはずです。

    

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