償却可能限度額と残存価額の税制改正




減価償却の税制改正…償却可能限度額・残存価額・償却率



2007年1月15日 第625号

日本での建物の減価償却は定額法です。機械設備等は定額法定率法の選択適用です。建物も昔は選択適用でしたが1998年改正で定額法のみとなりました。

建物は定額法で機械設備は定率法可というのは世界の主要国の主流です。そして日本が主流と違うのは償却可能限度額です。

償却可能限度額の改正


1000万円の建物を取得しても減価償却費として経費化が可能なのは95%の950万円までです。

この950万円が償却可能限度額です。残り50万円はずっと経費にできません。建物除去時にやっと除去損として経費化します。世界の主要国では100%まで減価償却が可能のようです。

今回の税制改正により2007年4月取得の資産から世界の主要国並の扱いになります。


1000万円で取得すれば999万9999円まで減価償却し、1円だけ残します。この1円は備忘価額といわれます。0円にしてしまうと簿外となり資産の存在が不明になるので、忘れないようにと帳簿上に1円を残します。

定額法の残存価格の改正


1000万円で取得の耐用年数20年の木造建物を例に取ります。

「(取得価額−残存価額)×償却率」が毎年計上できる定額法の減価償却費です。


残存価額とは取得価額の10%と定められており、償却率は0.05(=1÷耐用年数20年)です。(1000万円−100万円)×0.05=45万円。この45万円が毎年経費化できる減価償却費です。

毎年45万円づつ減価償却を続け、合計950万円(=1000万円×95%…償却可能限度額)に達するまで減価償却を続けます。

当初21年間は45万円づつ、22年目は5万円を償却し950万円に達します。耐用年数20年ですが22年かけて償却します。そして50万円が残ったままになります。

間違えやすいのが残存価額の意味です。残存価額は10%と定められていますが、これは耐用年数の20年経過後に10%(100万円)が残るはずという計算に過ぎません。実際には5%(50万円)になるまで減価償却を続けることができます。その意味で実際の残存価額は5%と言えます。

今回の税制改正では計算式で残存価額を差し引かなくなり、また備忘価額の1円まで減価償却を続けることになります。

毎年の減価償却費は「取得価額×償却率」で1000万円×0.05=50万円。20年かけて999万9999円まで減価償却を続けます。毎年の減価償却費は1割増えます。

2007年4月1日以降取得の資産から適用されます。既存資産には変更なく、従来のまま残存価額が50万円になるまで減価償却を続けます。ただし残った50万円についてはその後の5年間で備忘価額1円になるまで均等償却(年10万円)が可能になります。


多額の償却済建物を有していれば、これにより、向う5年間は減価償却費が増えます。

定率法の償却率の改正


建物は定額法ですが、電気設備冷暖房等の建物付属設備は建物ではありませんから定率法を選択適用することができます。

定率法での計算式は「未償却残高×償却率」です。同じ耐用年数なら定率法の償却率は定額法より大きく、そのため当初に多額の減価償却費の計上ができます。耐用年数10年なら定額法は0.100、定率法なら0.206です。

今回の改正では定率法の計算式そのものは変わりませんが、償却率が変わります。10年なら0.206から0.250になります。


当初計上できる減価償却費は2割ほど増えることになります。

なお定率法の計算を長く続けると毎年の減価償却費が少なくなり、いつまでたっても備忘価額1円にまでたどり着きません。その際は定額法に変更し備忘価額1円まで減価償却を続けます。

定率法で償却を続けた既存償却済み資産も1円になるまで5年間均等償却ができます。

固定資産税は改正なし


減価償却の改正は法人税と所得税が対象です。固定資産税(建物ではなく、機械等の償却資産)は従来の計算方法のままです。

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