住宅取得資金贈与と住宅贈与




親の資金でマイホーム取得…住宅取得資金贈与と住宅贈与



2007年3月26日 第634号

親の資金でマイホームを取得するには、(1)贈与を受ける・(2)借用する・(3)共有にする、の3つの方法があります。

4000万円の住宅を購入するにあたり、親が4000万円全額を用意してくれました。贈与税については相続時精算課税制度の住宅取得資金贈与の特例で3500万円までは贈与税非課税です。

そこで3500万円分は贈与とし、残り500万円分は親名義としました。持分87.5%(=3500万円÷4000万円)は子名義となり残りが親名義での共有取得となります。親が亡くなったときに親持分を子が相続で取得します。

資金贈与か住宅贈与か


住宅取得資金贈与と住宅贈与とは違います。資金つまりお金の贈与なのか、住宅つまり土地建物の贈与なのかの違いです。

親が4000万円で住宅購入、そこに子が住んでいます。この住宅(土地建物)を子に贈与します。

贈与税が課されるのは、土地の路線価評価と建物の固定資産税評価額との合計に対してです。


路線価は公示価格の80%水準とされ、建物の評価額は一般には建築費の50%から80%程度。

土地建物合わせて、中古戸建だと購入価格の80%程にまでになることもありますが、新築マンションだと50%を割り込むことも多いようです。

ここでは購入価格4000万円の60%の2400万円としましょう。

相続時精算課税制度は住宅取得資金贈与なら3500万円まで非課税ですが、住宅取得資金でなければ非課税枠は2500万円です。

それでも、住宅の評価額が2400万円ならば、2500万円非課税枠に収まることで、持分100%を贈与税ゼロで贈与できます。


この相続時精算課税制度での贈与額は、贈与者の親が亡くなった際に相続税の課税対象に加算されます。住宅取得資金3500万円贈与を受けたなら3500万円が将来の相続税の課税対象に加算され、評価額2400万円の贈与ならば2400万円が加算です。

相続税がかかり、相続税率が20%とすれば、相続税額で200万円以上の差になります。

ただし土地建物の贈与ですから、贈与時に登録免許税や不動産取得税の負担が生じます。

なお登記は義務ではありません。お勧めはしませんが登記しなければ登録免許税はナシです。

贈与を受けた住宅の譲渡


さて当初購入価格4000万円の住宅を、2400万円の評価額として親から贈与を受けた子が住み続け、その後この住宅を6000万円で売却するとしましょう。譲渡税はどうなるでしょうか。

譲渡税は、売った金額と買った金額(ここから減価償却と仲介手数料等を勘案、以下同じ)の差額売却益に課税されます。

さて意外なことに、譲渡税の計算において親から受贈したこの住宅の「買った金額」は贈与者である親が買った金額4000万円を引き継いで計算します。


6000万円と4000万円との差額が売却益となり課税対象です。

(譲渡税の計算では贈与税での評価額2400万円は無関係です。)

しかし、子がそこに居住しているのですから、マイホーム売却として3000万円特別控除が使えるでしょう。そうすれば譲渡税はゼロになります。

もし贈与せずに親所有のままで売却すれば、親が居住していなければ3000万円特別控除は使えませんので課税になります。

マンション、特にタワーマンションだと購入価格に比べ評価額がわずか30%と低いこともあります。8000万円で購入し評価額が30%ならば2400万円。贈与税ナシで贈与できます。

その後に子が1億円で売却しても、3000万円特別控除が使えれば譲渡税はゼロです。


しばらくしてからの贈与


なお購入直後に贈与することは税務において要注意です。

購入物件の購入価格は明確ですから、購入価格又は購入資金を評価額とみなされて、それに対し贈与税が課されるかもしれません。贈与するのならば購入後、しばらくしてからです。

専門家とご相談の上でどうぞ。

超高層マンションで相続税対策…相続税評価額の不合理(2005年12月5日 第571号)



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