固定資産税清算金は売買対価




税務署の考え方…固定資産税清算金は固定資産税ではない



2007年7月9日 第648号

平成18年12月作成の東京国税局「資産税審理研修資料」という「部内限」資料があります。このうち「譲渡所得、贈与税の申告に当たっての注意点」はA4版約20ページです。

専門家か見れば特に変わったものではありませんが、どのような点をチェックされるのかがよく分かります。作成時期から見れば平成19年3月の確定申告においての税務署側の注意点といったところでしょう。

「誤りやすい又は見過ごしがちな事項について、それぞれ項目別に作成した」とあります。

譲渡所得の収入金額については、3点が掲げられています。ここを見てみましょう。

共有者がいる場合の収入金額


共有不動産を売却した場合には、各共有持分ごとについて各人が申告する必要があります。

特に土地と建物で共有持分が異なる場合には金額の配分が複雑になってきます。

「共有の場合には、契約書、資料カード、登記資料により、土地、建物についてそれぞれの持分を確認する。」とあります。

消費税の経理処理


建物売買は消費税の課税対象になります。しかし消費税については消費税課税事業者もいるし非事業者や免税業者もいます。

課税事業者においても税込経理と税抜経理とがあります。

そのために売却した者がどうかにより消費税の扱いは異なってくるし、それにより譲渡所得の対象も変わってきます。

例えば店舗建物の対価が105万円として、消費税課税事業者が売却したならば譲渡対価100万円と消費税5万円です。しかし消費税免税業者の売却なら譲渡対価105万円となるのです。

「非事業者及び免税業者の譲渡所得は、税込価額により算出する」とあります。

未経過固定資産税


「不動産売買の際に、未経過期間に対応する固定資産税相当額として受取る金銭は、収入金額を構成する。」とあります。

ミスが多い点でしょう。かつては余り問題にされなかったようですが、チェックポイントに入るようになっています。

自宅売却にあたり売買金額が1億円。別途で固定資産税清算金として未経過固定資産税6ケ月分100万円としましょう。

売主は合計で1億100万円を受取ります。「売買対価は1億円。それと別に自分が払った固定資産税のうち買主負が担する6ケ月分が戻った。」と考えます。

そうすると譲渡所得の対象となる金額は1億円。自宅の固定資産税はそもそも経費にもしていませんから100万円はそのまま自分のポケットに入れて、それで終わり。そして売却による収入金額1億円として確定申告をする、というのが一般人の常識でしょう。でもこれは税務においては非常識なのです。

「未経過期間に対応する固定資産税相当額として受取る金銭は、収入金額を構成する。」の意味するところは、課税対象となるのは1億円でなく1億100万円だといっているのです。

固定資産税については引渡日を基準に売主と買主とに配分するのが不動産仲介の実務です。

しかしそもそも固定資産税は1月1日現在の所有者に課税される税金です。それを勝手に配分しただけなのです。だから配分したのは固定資産税でなく固定資産税相当額なのです。買主が売主に渡す金銭は収入金額を構成します。だから固定資産税相当額は譲渡所得の収入金額になるのです。確定申告すべき金額は1億100万円になるのです。


買主にとっても問題です。100万円は固定資産税だからと、租税公課として経費処理したら間違えです。固定資産税ではなく固定資産税相当額の土地建物の取得対価です。だから租税公課ではありません。

1億100万円が土地又は建物の購入対価となるのです。

固定資産税精算金については「税務署から何も言われなかった」との声も多いのですが、それはウンがよかっただけです。

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