賃貸不動産と3000万円特別控除




賃貸中でも元マイホームなら3000万円控除が使えるかも



2007年10月8日 第660号

「2年前に転勤になりました。住んでいたマイホームは貸家として賃貸にしました。2年間で更新の契約なのですが、賃借人からは更新せずに退出すると連絡してきたそうです。」

さてこの元マイホームは税務上でどう扱われるのでしょうか。

もし所有者に相続が起こり相続税なら、建物は貸家で敷地は貸家建付地評価です。空き家になれば土地は更地評価です。

譲渡税は違います。今この元マイホームを売却すると、驚くことに居住用の特例が使えます。

「居住用」とは何でしょうか。「その居住の用に供している家屋」について通達は「その者が生活の拠点として利用している家屋(一時的な利用を目的とする家屋を除く)」と定めます。

この定義からは、この元マイホームは転勤になる2年前までは「居住用」だったとしても、転勤により生活の本拠は転勤先に移っていますから、居住用でないことは明白です。

3年経過の元マイホームなら


しかし税法は微妙です。居住用財産の売却時には3000万円の特別控除が使えますが、その条件は次のようになっています。

「これらの家屋が当該個人の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に(譲渡を)した場合には…」

つまり居住しなくなってから3年目の12月31日までに売却すれば、3000万円控除が使えると規定されているのです。


考えてみれば当然のことです。マイホームを買換えて、新マイホームに住み替えるには、まず新マイホームに引っ越してから、旧マイホームを売却することも多いはずです。だとすれば旧マイホームの売却時にはその旧マイホームはすでに生活の拠点ではなく居住用ではありません。

そこで税法では余裕をもって「3年目の12月31日まで」の売却なら、すでに居住用ではなくとも、3000万円控除を使っていいと定めたのかもしれません。

そして建物を取り壊さなければ、その間の用途制限はありません。空き家でもいいし、親戚にタダで貸してもいいし、家賃を取って賃貸でもいいのです。

2年前の転勤でマイホームを賃貸にしているのなら「3年目の12月31日まで」に該当します。

賃貸中であっても今ならば


つまり現状は賃貸中でも、期間内での売却ならば居住用3000万円控除や居住用低税率その他譲渡の特例を適用できるのです。

このケース、新しい賃借人を入居させ更に2年経過なら「3年目の12月31日」は経過します。

転勤したがいつか戻るつもりだったけど戻れそうにない…として売却を検討するなら税務上での売り時は今かもしれません。

賃貸仲介の不動産会社にとってもこの様なケースなら

「新しい賃借人をお探します。ただし、今なら3000万円控除が使えますよ。念のため。」

と一言教えて差し上げれば、賃貸仲介業務が売買仲介業務に変わるかもしれません。

最近では郊外の庭付き一戸建てから都市部での利便性の高いマンションへ引っ越す高齢者が多くなっています。ここでも「3年目の12月31日まで」は、郊外の庭付き一戸建ての売却に際して考慮すべきポイントです。

居住用財産とは建物のこと


注意すべきは税務上の居住用財産とは建物だということです。

その建物と一緒に敷地を売却した場合に限って、その敷地について居住用財産の3000万円控除等の特例が使えるのです。

だから土地だけの売却は居住用の売却にはあたりません。


それでも売却しやすくするために建物を取り壊すこともありますので、売買契約の前1年以内に更地にして、その後貸付等していない場合には例外として「居住用」と認められます。

逆に言えば、取り壊しから1年経過でダメに、取り壊し後に月極駐車場として貸し付けたらダメになります。なお災害により建物が滅失した場合には例外が定められています。

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