上場企業買収やTOBも不動産売買




上場企業買収やTOBも不動産売買・運用会社買収はREIT支配



2007年11月19日 第665号

会社売買で不動産を買う


2007年は2000億円クラスの不動産取引が続きました。全日空ホテル・虎ノ門パストラル・新宿の日テレゴルフ練習場跡…。

そして5000億円です。東証マザーズのシンプレクス・インベストメント・アドバイザーズをゴールドマンサックス等がTOB(株式公開買付)で買収しました。最終的には上場廃止です。

上場企業のTOBですが、実態は不動産売買に近いものです。TOB価格215,000円は過去1ケ月の平均株価91,005円の2.36倍です。

TOBでの買取価格そのものは1500億円ですが、有利子負債を含めた買収総額は5000億円。

シンプレクスの業務はファンド運用の不動産投資顧問業と自らで行う不動産開発投資です。首都圏を中心に全国で100棟以上の不動産を保有しています。

ゴールドマンサックスはTOB価格が実勢株価2倍超のことにつき「保有する資産価値と過去に集めた運用資産に基づく企業価値から判断すれば十分正当化できる値段。株価は一応目配りはしたが、どのくらいのプレミアムをつけるかという観点では値付けをしていない」そうです。

つまり不動産の資産価値と判断して買ったということです。


それでもまだ割安との声もあります。9月末の棚卸資産は3800億円。仕入利回り6%で現在の時価利回り4%とすれば不動産含み益1900億円。税金を差し引いた上で純資産に加えると1600億円。TOB総額1500億円は割安ということです。(日経金融2007.11.14.)

米国ではREITへの総額4兆円ものTOBが成立しそのREITは非公開化されました。それに比べればまだ5000億円です。

運用会社売買でREITを支配


REIT委託運営会社の買収です。米国ラサール・インベストメント・マネージメントの日本法人はイーアセット投資法人の委託会社アセット・リアリティ・マネージャーズを買収します。

イーアセット投資法人はアセットマネージャーズ(大証ヘラクレス)が上場させたREITであり、今回の買収対象はこのREIT委託会社で株式過半をアセットマネージャーズが有しています。

今回の買収はREITそのものの買収ではなく、REITの委託運用会社の買収です。買収者はこれにより投資家の資金を集めたREITの運用を自由にできます。

例えばこのREITでは買収直前にアセットマネージャーズ関連先から18億円の売買契約を契約後解除されました。またREIT所有ホテルが26億円で別のアセットマネージャーズ関連先に売られます。「折角のいい物件を他人の手に渡るREITなどには残せない」ということでしょうか。

また買収側のラサールも、すかさず買収と同時に私募ファンドで運用していた大型商業施設2物件576億円をこのREITに売却しました。これは今回の買収に必要な資金の調達でしょうか。

REITを支配すると自社・関連会社・関連ファンド間で自由に不動産売買ができます。

パブリックとプライベート


上場REITや上場企業が有する不動産純資産が株式時価総額以上とは限りません。そこに注視してREITへの集中投資や土地持ち企業へのTOBが続いています。

REITそのものをTOB等で買収すればその総会でその委託運用会社をどこにするか自由に決定できます。日本でのそのような買収や取引も近いでしょう。

米国の4兆円REIT同様にシンプレスは非公開化されました。不動産は自由に処分されます。

シンプレクスは2005年6月のマザーズ上場で、当時は公開で企業価値を上げたのでしょうが2年後の今回は逆に非公開化です。

不動産市場と株式市場は密接です。多数が参加し自由で情報公開されるパブリックな市場と閉ざされた人だけの情報公開されないプライベートな市場の間を大きな不動産が行き来します。

イーアセット投資法人の東証上場も2005年9月でした。こちらもわずか2年でその実態が違うものに生まれ変わります。

都心部の優良不動産をまとめて買う方法…リートを買収する(2006年12月11日 第620号)



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