適格投資家と不動産ファンド




不動産ファンド運用するなら残高10億円以上の投資家が必要



2007年11月26日 第666号

ライブドアや村上ファンドは組合を多用していました。

金融庁は金融商品取引法(以下「金商法」)で、この組合を自らの規制下におきました。

不動産ファンドに大きな影響が及ぶことになりました。

適格機関投資家とファンド


任意組合や匿名組合等が、信託受益権等を自らで運用(自己運用)するなら金商法の投資運用業の登録が必須になりました。

不動産ファンドでは匿名組合出資を受け入れ、SPC(有限会社や合同会社等)が匿名組合営業者としてファンド全体を運営することは普通です。これが規制の対象となったのです。


さて他者から一任運用を受託するには投資運用業の登録が必要です。他人の金を一任運用するのだから厳しい条件の投資運用業の登録を条件にしました。

考えてみればファンドも同じです。他人の金を預かるファンドそのものに自己運用を許したら制度そのものが尻抜けになってしまいます。そこでファンドの自己運用についても投資運用業の登録を義務付けたのです。

これは匿名組合営業者であるSPCへの登録義務付けです。

しかしこれは非現実的です。このようなSPCは人も実態もほとんどない名目的な存在です。

そこに登録を求めるのは非現実的なのです。金融庁は非現実的規定でファンドを管理下においた上で例外規定を設けます。

それはプロ(適格機関投資家)がそのファンドに一人でも出資していれば登録は不要だ、という例外です。つまり内輪にプロが一人でもいればそれ程は悪いことはしないだろう…という考え方です。その上でプロ以外の一般投資家の数も目の届く範囲ならいいだろう…。具体的には1人以上の適格機関投資家と49人以下の一般相手のファンド自己運用は投資運用業登録が不要で、一定の届出だけ済みます。

問題は適格機関投資家の条件です。証券会社(第一種金融商品取引業)やREITならもちろんOKです。そして一般法人であっても有価証券残高(信託受益権や匿名組合出資を含む)が10億円以上で金融庁長官に届出(実務上の問題点は届出受付が年2回の1月・7月だけということ)を行っていればOKです。

つまりファンドへの出資者の一人に、残高10億円以上の届出済み投資家を引き入れれば投資運用業の登録は不要です。

逆に言えば、それが一人もいなければ投資運用業の登録が必要となってしまいます。そのときも外部の投資運用業者に投資一任契約(投資助言業者への契約ではダメ)をすれば、自らの投資運用業の登録は不要になるという例外規定もあります。

ファンドをつくって自己運用しようと思えば10億円投資しているお友達や身内が必要です。

なお、登録不要となっても金商法対象ではあるので証券取引等監視委員会の検査対象です。

また自己運用でなく自己募集には別の規定もあります。

特定投資家との金商法取引


さて金商法ではプロ相手取引とそうでない取引とを区別しています。ややこしいのは「プロ」の定義が複数あることです。

上記10億円規定は「適格機関投資家」としてのプロ規定です。

これと別に「特定投資家」というプロ規定があります。

上場企業や資本金5億円以上と見込まれる株式会社、そして金融商品取引業者は原則プロです。「原則」という意味は「この取引では私はプロではありません」としてプロでなくなることもできるからです。

一方でその他中小一般法人、そして純資産3億円で3億円以上の一定投資をしている個人は原則非プロです。しかし「私をプロとし扱ってください」と申し出られます(3億円未満の個人は完全非プロ。申し出られません)。

プロが相手なら書面交付義務(宅建業法での重要事項説明義務)も適合性原則(顧客の知識経験を考慮する義務)も不要です。

面倒な説明がいやならば、プロの申し出をしてもらいます。


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