使用貸借地を貸家建付地にする




親の敷地に子のアパート…使用貸借地を貸家建付地にする



2008年1月14日 第672号

昔、親の土地に子が建物を建てると借地権贈与として贈与課税がされたことがあります。

しかし使用貸借(無償での貸し借りで、固定資産税等の実費負担)での土地の貸し借りならば現在は贈与税の心配無用です。

親の土地で子がアパートや貸ビル経営をします。家賃収入はすべて子のものになります。

贈与税の心配無用ということは、使用貸借の土地借受権の評価額をゼロと考えるからです。

さて親の土地に親のアパートなら「貸家建付地」です。土地の相続税評価は更地評価の80%程になります。アパート賃借人の借家権を斟酌し土地について20%程の評価減ができるのです。

しかしアパートが子所有なら違います。外見上ではアパート敷地であり貸家建付地に見えます。しかし親にとってその土地はアパート敷地でなく、子に使用貸借で貸している土地です。

使用貸借で借り受けた子がそこにアパートを建てたのです。


アパート敷地の評価額


使用貸借での土地借受権の評価はゼロと考えますから、この土地は貸家建付地と違い評価減なしです。更地評価になります。

アパートを親が建てれば貸家建付地として20%程の評価減がありますが、家賃収入は親が受取ることになり親の相続財産が膨らみます。子が建てれば、家賃は子が受取るものの、土地の評価額は更地扱いです。

子から建物を買い取る対策


さて相続近しと予感するなら対策があります。子の建物を親が買い取ります。使用貸借での土地借受権はゼロですから建物価格だけで建物を買い取ります。

建物が親の所有になります。その土地は「子に使用貸借で貸している土地…更地評価」から、「自分のアパートの敷地…貸家建付地評価」に変わります。それだけで土地の評価額が20%程も下がるのです。


さて建物売買価格は償却後簿価でやれば普通は問題が生じません。ここでは1億円とします。

1億円で売買します。親は子に1億円を払います。子は簿価1億円の建物を1億円で売ったのですから売却益なしで譲渡税もなしです。また建物の固定資産税評価額はこの1億円より低いことが多いのですが、ここでは同じ1億円としましょう。

さて親の相続税評価額はどう変わったでしようか。

親は子に1億円払い、固定資産税評価額1億円の建物を得ました。プラスマイナスゼロです。

しかし相続税の計算では建物は貸家評価として30%引きの7000万円になります。相続税評価額は売買前と比べて、3000万円下がりました。実際の固定資産税評価額がもっと低ければ効果は更に大きくなります。

そして土地の評価額が下がります。土地が更地評価額が2億円だったとします。約20%(厳密には「借地権割合×借家権割合」)の約4000万円下がります。

合計で7000万円も下がり、相続税が減ります。不動産取得税・登録免許税・消費税には注意が必要です。親の土地上に子のアパートがあれば、相続税の対策として建物を父親に移すことを検討してみましょう。

使用貸借の権利は結構強い


使用貸借での土地借受権を相続税評価ではゼロとしますが、土地の使用貸借は法的には結構強いものです。第三者に貸す場合には注意が必要です。

「民法597条2 当事者が返還の時期を定めなかったときは借主は契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に返還をしなければならない。」。

建物の建築と使用収益が目的の使用貸借なら、返還期限は建物を使い終わるまでです。堅固建物なら数十年でしょう。


使用貸借は評価ゼロの簡単な権利と思われがちですが、そうではないのです。ただし使用貸借は一代限りです「民法599条使用貸借は借主の死亡によってその効力を失う。」。借主が法人なら法人には相続はありません。なお貸主死亡で契約が終わることはありません。

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