ノンリコースローンのリファイナンス




ノンリコースローンの期限が次々到来。借り換えはどうなる。



2009年2月2日 第723号

貸付金は二種類


商業用不動産への貸付金は二種類に分かれます。金融機関がどのような資金によって貸すかによって分かれます。

まず、銀行が自らの資金で貸し続ける貸付金。銀行が預金者から預かった預金の運用として貸し付けるものです。つまり自己勘定貸付です。

あとは証券化を前提とした貸付金です。日本では10年ほど前から外資系銀行を中心に始まりそして一般化した、証券化前提貸付金です。


CMBSを前提とする貸付金


銀行は500億円を用意して、商業用不動産担保の5億円貸付を100本実行します。そしてその100本をひとつの箱にいれます。

100本のうち何本かは回収不能になるとしても、全部が回収不能になるということはありません。そこでこの総額500億円をバラバラの債権に切り分けて販売してしまいます。

利回りは低いが最優先で返済される証券、高利回りだけれども返済順位の低い証券等々。貸付金を債権として切り出して投資家に販売してしまいます。

不思議なことにこのように販売すると500億円の貸付金が、例えば合計550億円の債権として販売できるのです。この50億円が銀行の利益になります。

(CBMS CommercialMorgageBa

ckedSecuritis ・商業用不動産ローン担保証券)といいます。

銀行はこの50億円の利益が目的です。融資して金利を稼ぐことが目的ではありません。事務的な作業は別として、後になってどの貸付金が回収不能になっても損害を受けません。

これが証券化を前提とした貸付です。証券化前提貸付金です。証券化前提貸付金なら最後まで責任を持たないのですから、気楽に貸せたのでしょう。

サブプライムローンの仕組みも基本的に同じ仕組みです。

多数の住宅ローンをひとつの箱に入れてから、その箱から多くの証券を切り出しました。各証券の条件は複雑であり、それが世界中に散らばります。

さらにはこの証券を新しい別の箱に入れて更に証券化しました。いよいよどんなリスクを誰が負うのが分からなくなりました。元の箱がどこにあるかすらも分からなくなりました。

ノンリコースローン急拡大


証券化前提貸付金はノンリコースローンが基本です。最後まで個人の責任追及しないといけない従来型貸付は証券化になじみません。担保不動産を処分したらそれ以上の返済は求めず損失を確定させるノンリコースがなじみました。

証券化市場・CMBS市場の拡大により証券化前提貸付金が求められ、ノンリコースローンが急拡大しました。

それによりファンドによる不動産取得が容易になり、不動産価格が高騰しました。

ノンリコースローン借り換え


日本でのノンリコースローンは期間3-5年のものが多かったようです。期限到来で一括返済です。借主は資金調達をして弁済しなくてはいけません。リファイナンス(借り換え)です。

「不動産は値上がりする。期限が来たらまたノンリコースローンで借り換えればいい」と行け行けドンドン、借りました。

しかし、サブプライム問題で証券化市場が突然消滅しました。CMBSの証券の買い手が消滅しました。そうなると証券化前提での貸付も消滅します。

これらノンリコースローンの貸付のピークは2-3年前です。ローンの期間の多くは3-5年。つまり今年から2-3年で期限が次々に到来します。


借り換えしたくても証券化前提貸付金は困難です。銀行の自己勘定貸付金も極めて厳しい状況です。物件売却なら大きな値下がり。ノンリコースだから最終損失は貸主負担ですが、債務不履行には変わりありません。

金融市場が大きく改善しない限りは、期限到来の度に、ファンドが破綻危機に次々直面することになります。



CMBS(商業用不動産担保証券)での資金調達が始まる 1999年2月8日 第243号
ノンリコースローンのリファイナンス

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